近傍銀河の不思議な天体2021/02/04

20210204_AT2021biy
系外銀河の中でも比較的私達に近いもの…Mpc(メガパーセク=約3.26×106光年)換算でたかだか一桁台程度の銀河に、立て続けに超新星候補天体が発見されたということを、星仲間の(の)さんが教えてくれました。そのうちのひとつ、「Whale Galaxy」ことNGC4631に出現したAT2021biyが撮影しやすかったので、今朝方挑戦してみました。

昨夕から今朝までは割と頻繁に雲が飛来し、撮影していても度々中断を余儀なくされる落ち着かない空模様でした。断片的ながらようやく画質が保てる程度の露出を済ませ、仕上げたのが左画像。17等近くまで増光している対象天体がしっかり写っています。色補正が十分ではないけれど、極端に赤いとか青いと言った特徴はなさそう。

(の)さんによるとこの星の正体はまだ分からないそうで、スペクトル分析ではLRN(高輝度赤色新星)の一面もあるし、LBV(青色超巨星)の可能性も否定できないとのこと(→ATel#14360参照)。どっちつかずですなぁ。研究者のみなさんは興味津々でしょう。我々の銀河までの近さからすると一般的な超新星としては暗すぎます。今後の増減光が気になりますね。

20210203ネオワイズ彗星(C/2021 A2)
夜半前にはネオワイズ彗星(C/2021 A2)にも挑戦。1月末に初撮影したとき移動が速すぎたためもう少し小刻みに撮影しようと思っていたのに、慌てていたのか倍の設定にしたまま撮っていました。気がついたときはもう遅く、撮影し直す余裕もありません。そのまま仕上げ、右に掲載しておきます。彗星、のびちゃってますね。

なんとなく北東側(左上側)に光の偏りが感じられます。尾?が伸びてるのでしょうか?暗くならないうちに再々挑戦しましょう…。

今日の太陽2021/02/04

20210204太陽
朝からよく晴れていてますが、透明度が若干落ちたようです。(昨夜から感じてました。)遠くの富士山が余り見えません。気温は昼前に10度を超え、日向がとても暖かい。でも昼前から風が強くなり、12時以降は8m/s前後に達しています。昼現在はまだ宣言されていませんが、実質的に春一番と言えましょう。

20210204太陽リム
左は11時頃の太陽。活動領域12801が右上リムギリギリに見えますが、黒点は消えたようです。昨日見えた長いプロミネンスはもうありませんが、太陽観測衛星SOHOの画像を見ると4日3時頃から右上に向かってコロナが大きく吹き出していました。その他は静穏な太陽面ですね。

追記
各種ニュースによると「気象庁は今日午後、関東に春一番が吹いたと発表した」とのこと。これは関東地方の観測史上における最も早い春一番です。ところで上記の文は二通りの意味に解釈できてしまい(「午後に吹いた」のか?「午後に発表した」のか?)曖昧なのですが、それよりもずっと重大な問題がありました。

試しに適当な検索サイトで「気象庁 関東 春一番」などのキーワードで検索してみてください。たくさんのニュースが出てきますね。ところが肝心の「気象庁からの発表」が出てきません。一次ソースが見つからないのです。キーワードを変えても、検索サイトを変えても、やはり出てきません。本来なら一次ソースがトップに出なくてはならないものでしょう。

直接気象庁のサイトや公式SNSで探しても「気象庁からの春一番の発表」は見つかりませんでした。気象庁は国民に向けてではなく、報道機関へ直接発表したのでしょうか?

春一番程度ならスルーしても命に関わることは無いでしょうが、本当に必要な防災関連の一次情報、危険を知らせる大元の情報が見つからない/下位に埋もれてしまってることはよくあります。(少なくとも私は何十回も経験してます。)他の一次情報を担う国の各省庁サイトや行政サイトも同様ですが、とりわけ気象庁サイトは迷路のようで、探しづらいサイトの筆頭ではないでしょうか?

また、官公庁サイトの構成だけが原因ということでもなく、検索サイトやSNSの結果表示の順位や、ニュースサイトに一次ソースアドレスを明記してないなど、多数の問題点が交錯してます。これらが適切でない限り、多くの人がいつまでもフェイクニュースや根拠のないデマに踊らされ続けるのです。情報立国が聞いて呆れますね。