カクカクしているM61の腕2021/02/16

20210216_M61
昨夕から天気が回復したものの、宵のうちは浮浪雲が度々飛来、また4m/s程度の風が吹きっぱなしで為す術もありませんでした。夜半を過ぎる頃やや静かになったので外へ出てみると、少し雲があったものの何か1天体くらい撮れそうです。そこらじゅう雨に濡れていましたが、思い切って機材を組み上げました。

2月11日にエッジオン銀河をまとめて撮影したので、今度はフェイスオン銀河を…と考えていました。でも流石に2時スタートではたくさん撮影できませんので、準備が終わった時点で南中を迎えたM61だけに絞りました(左画像)。結局明け方に向かって風が再び強まり、星像は散々でした。

M天体ですから有名どころなのですが、普段から多くの銀河を観察したり、メシエマラソンの練習をしてる…といった方でない限り、しし座・かみのけ座・おとめ座に集合するM天体の位置や形状を『何も見ないで』思い出せる、導入できる方は少ないでしょう。M60番台から90番台あたりは心もとないですよね。

眼視だとなかなか腕の形状まで見えませんが、M61を写真に取ると「腕がカクカクしてる」印象を持ちます。もっと言うと、「最外縁は丸いのに、内側に向かう部分は角がある」、つまり中心に向かって一様に綺麗な螺旋になってないのです。M101などもそうですね。2018年9月26日記事で「多角形の形状をした台風の目」を取り上げました。全く同じ理屈ではないにしろ、何らかの力学作用で曲線が直線状になったり、コブができたり…といった状況は共通するのでしょう。

今日の太陽2021/02/16

20210216太陽
朝からよく晴れています。10時の段階で気温が10度超えながら、150km先の富士山がよく見える透明度。関東圏ではスギ花粉が飛び始めているようで、先週から太陽観察時に花粉光環のチェックを始めています。昨日雨が降り、今日は快晴+5m/s超えの強風=絶好の(?)花粉光環日和ですが、当地ではまだ見えません。

20210216太陽リム
左は10:10頃の太陽。活動領域はありません。プロミネンスもしょぼいものばかりです。何よりシーイングが悪すぎて細部が写し取れません…。

午後は8m/s台まで風速が上がりました。透明度が良くても風が強いと空の観察が困難ですね…。

20210216-0900JST地上天気図
【夕方追記】
昨日関東や東北に強い雨を降らせた低気圧は、本日北海道沖で中心気圧946hPaまで猛発達しました。24時間前は990hPaでしたから、いわゆる爆弾低気圧ですね。この影響で各地に強い風が残っている他、北日本を中心に暴風雪となりました。左図は気象庁サイトからの引用で、本日9:00の地上天気図(着色は筆者)。

北海道沖やオホーツクの低気圧が940hPaという「台風レベル」まで下がることは、頻繁ではないにしろ時々あります。右表に集計を載せておきました。ご参考まで。

【940hPa以下になった冬の低気圧・2002年-2020年調べ】
2002年12月28日(944)
2011年1月17日(936)、3月17日(948)、3月18日(944)
2013年1月15日(944)
2014年11月8日(924)、11月9日(940)、12月17日(948)
2016年3月16日(948)、12月16日(948)、12月29日(936)
2017年12月26日(948)
2018年1月6日(948)、12月29日(940)
2019年2月1日(948)

  • 括弧内は中心気圧(hPa、海面更正値)です。
  • 気象庁「日々の天気図」を元にした目視による集計です。2002年11月から2020年4月まで(各年の11月から翌年4月まで)集計しました。
  • 中心位置が概ね北緯40°以北・北海道と同経度または東にあるもののみを対象にしました。従って低緯度の台風などは含まれません。またオホーツク海上など日本から離れている場合もあります。
  • いわゆる「爆弾低気圧」かどうかに関係なく集計しています。