順調に明るくなってる小惑星アポフィス2021/02/14

20210214小惑星アポフィス
昨夜から今朝は曇りがちな予報だったものの、星を見るのに支障ないレベルで晴れてくれました。春のような水蒸気で透明度はガタ落ちでしたが、前夜に薄雲で1等星しか見えなかったことに比べたら問題ないです。

しばらく小惑星アポフィスを撮ってなかったので、夜半すぎから撮影開始。夜半前に起きた大地震の余震が露出途中に何度かあったけれど、小さな揺れだったので影響ありませんでした。(平時の強風のほうがずっとヒドイ…。)アポフィスは2月5日の撮影から0.5等以上明るくなっており、見違えるような成長っぷり。近くなってるんだなぁって感じました。

20210214_NGC4651
明け方までにもう1天体くらい狙えそうだったので、アポフィス露光が終わった時点で南中を迎えていたNGC4651に望遠鏡を向けました。街中+春霞のためか、高度が高い割に光害によるカブリが大きくて驚きました。淡い天体への影響は深刻ですね。

この銀河は「アンブレラ銀河」などと呼ばれ、空の良いところで撮ると東方向に傘の柄が伸び、そこから傘を広げたようなコマ(ハロ?腕?)が写ります。極めて淡いため、街中ではフィルターワーク等を駆使しなくてはなりません。右画像は光害カット1枚のみなので傘部分は全く見えませんが、左に向かって柄が伸びているのは確認できます。

20210213月
【おまけ】

時間が前後しますが、左画像は昨夕(2月13日)の月です。高度が10°しか無くて障害物が多かったため、カメラのみで簡単撮影しました。撮影時の太陽黄経差は約18.76°、月齢は1.57。かなり細身で美しいですね。ごく薄っすらと地球照が見えています。

今日の太陽2021/02/14

20210214太陽
朝からよく晴れていますが、夜の続きで透明度は良くありません。また空にかかる霞に濃淡の斑があるらしく、短時間の太陽撮影中でも光量が微妙に上下しました。

20210214太陽リム
左は11時前の太陽。活動領域はありません。淡いけれど背が高くて目立つプロミネンスが左上リムから数本生えていますね。左下には光球に沿ってたなびくようなものも見えます。なかなか活発な領域が出なくなりましたが、今日は太陽観測衛星STEREOの相対経度-150°・緯度N20°付近(裏側)に明るい領域が見えているため、消えなければ5日ほどで左上リムに現れるでしょう。

午後になると風が強まり、13時現在は5m/s程度に達しています。空は雲に覆われてしまいました。明日は朝から雨予報です。