エッジオン銀河めぐり四夜目2021/02/19

20210219_NGC4302
昨夜から今朝も良い天気。ぼちぼち月が上弦に近づきつつあるので、この「ちょっとマイナーなエッジオン銀河めぐり」もそろそろ終わりでしょうか。ということで四夜目を続行。今回はかみのけ座のNGC4302(左画像)、およびPGC39432(右下画像)。

NGC4302は銀河面がほぼ南北に立っており、すぐ西側にくっつくようなNGC4298と一緒に観察できます。かなりシーイングが悪かったので暗黒帯までは写らないかな…と思っていたら、あっさり写ってくれました。NGC4298のほうにも暗黒帯が見えますね。随分前にハッブル宇宙望遠鏡がこの銀河ペアを撮影していますが、描画力の違いに愕然とします…当たり前ですケド。

20210219_PGC39432
暗いエッジオン銀河のセレクトとしてPGC39432を撮影。でも一晩前のPGC28700よりは長くて目立ちます。きちんと解像しない短焦点望遠鏡ではノイズにされてしまいそうな線の細さ。14等あるから決して暗すぎることはないけれど、このか細い感じが宇宙の深遠さを物語っているようです。双方の画像とも背景に多数の銀河が写り込んでおり、さすがはかみのけ座!

PGC39432はNGC4302の北側わずか8°しか離れていません。だから導入しやすい…はずですが、実は撮影に限って言うとそうなりません。暗い銀河はなるべく高い空での長い露出が必要です。一晩で近距離二天体となると、片方は東空から天頂まで(テレスコープ・WEST)、もう片方は天頂から西空(テレスコープ・EAST)となってしまい、セッティングを大移動しなくてはならないのです。

時間のロスやトラブル(引き回してる多数のケーブルを引っ掛けてしまう、極軸やピントが狂ってしまう等)を避けるため、私は一晩の観察をなるべく片方の空に集めています。でも今回の撮影は天体位置的にどうしても大移動が伴い、苦労しました。画像だけを見てもこんな苦労は分かりませんけれどね。

参考:
エッジオン銀河めぐり三夜目(2021/02/18)
再びエッジオン銀河へ(2021/02/17)
エッジオン銀河めぐり(2021/02/11)

今日の太陽2021/02/19

20210219太陽
朝からよく晴れています。15日の雨以降は次第に乾燥気味となり、特に昨日と今日は富士山がよく見えました。ここ数日は太陽周囲にごく淡い光環が見えるのですが、写真に写せるほどではありません。花粉光環とも限らず、この時期特有の強い季節風で舞い上がる微細なホコリによる光環の可能性もあります。(これをごっちゃにしてる人は意外に多い!)

20210219太陽リム
左は10:15頃の太陽。昨日見えていた北半球右側の小黒点はかろうじて残っているようです。また、黒点が無いかに見えた左上リムの活発な領域に黒点が現れていました。(やや奥側にあったようです。)Hα光では分かりませんが、可視光で観察できる方は探してみてください。南半球の立派なダークフィラメントも健在。左下リムに糸くずのようなプロミネンスが見えました。