準惑星マケマケとハウメアを観察2019/04/08




毎年晩冬から初春ごろのテーマとして、準惑星マケマケとハウメアの撮影をリストアップしています。これらは冥王星よりずっと暗く、ある程度の経験が必要になりますが、機材選択や撮影ルーティーンの練習・検証には持って来いの対象だと思います。私は毎回異なる手法や機材で撮影することにしています。

いつもなら天気が安定し透明度も良い2月から3月初旬に狙うのですが、今年はなんだかんだで4月最初の週になってしまいました。この時期は春霞も増し、強風が止まない夜もあって苦労しますが、4日間ほどチャレンジした中で4月4日明け方と翌5日明け方の画像が比較的まともだったので掲載しておきます。セレクトボタンで日付を切り替えてみてください。(※各画像の間隔は約24.5時間です。)





マケマケとハウメアの位置
準惑星マケマケとハウメアの位置は結構近く、20°も離れていませんから、ひと晩でふたつそれぞれ撮影できます。長焦点なら2時間も間をおいて撮影すれば移動が確認できますが、上画像のように1日以上空けて同じ場所を撮影する方法だと移動もはっきり分かるのでお勧め。とは言ってもこの時期二日にわたって安定して晴れることが少ないので、天気を上手に読んだり、短くなってる夜時間をうまく使い分けることも大切な目的です。

両天体は太陽から遠いためほとんど動かず、毎年似たような位置に見えています。左はステラナビゲーターで描いた2019年初めから2026年初めまでのマケマケとハウメアの位置。向こう数十年ほどはアルクトゥルスが空高く登る時期に観察可能だと分かるでしょう。バネのように位置がグルグルしているのは、地球の公転による視点の移動「年周視差」という見かけの動き。つまり、上画像で移動して見えるのは各準惑星の移動が主要な原因なのではなく、私たちを乗せた地球が1日で大きく動いてしまってるせいです。

2019年の衝は、マケマケが3月26日、ハウメアが4月16日。つまり今が一番明るい時期です。明るいといってもそれぞれ17等前後の天体ですから、月明かりがまぶしい夜は難しいでしょう。天王星や海王星、冥王星や明るい小惑星など一通り写せるスキルをお持ちの方は、撮影時期の選択を含めぜひ挑戦してみてください。