わずかな晴れ間に満月前の月を楽しむ2024/03/24

20240323グリマルディ、ダーウィン、ガッサンディ
昨日は曇りと雨の繰り返しでしたが、夜になって回復。夜半過ぎまでは持ちこたえて、何とか月を眺めることができました。明日25日は満月ですから、もうだいぶ丸いですね。シーイングは最悪1歩手前くらい乱れていました。

左画像はグリマルディ付近。日付を越えて西に傾く頃に月面A地形が見えたはずですが、これは夜半前の撮影なのでまだ真っ暗。グリマルディ・ドームがベストタイミングでした。南側の小さなドームも分かります。ダーウィンのドームは半分ほど光が当たっていたけれど、ちょっと早かった…。ダーウィン谷やシルサリス谷はちょうど良い感じです。

ライナー・ガンマ本体から南西のヘベリウスDあたりまで広がる淡いスウォールが何とか辿れます。このスウォールはさらに南までのびているようです。もっとしっかり炙り出したいけれど、この模様はどの波長で撮ったら最もクッキリ写るのでしょうかね?

右下画像はアリスタルコスからリュンカー山にかけて。もんじゃ焼きのようなリュンカー山が見ごろです。欠け際にある極めて低いリッジも目立ちますね。マリウス周辺のドーム群はたったひと晩で見辛くなりました。

20240323アリスタルコス、リュンカー山、セレウクス
アリスタルコス北側にある浅い窪地がたまに話題になります。右画像でいうとAの点線円のところです。見た目には凹んでいますが、実際に窪地なのか、それとも錯覚を誘うような模様なのか、これだけでは分かりません。幸いLROC・Quick Mapの機能を使えば「フリーハンドで描いたルートの標高を表示」することができます。便利な世の中になりましたねぇ。

実際に丸Aの起伏を描いたのが下A図右側の赤線グラフ。測ってみると概ね100mの高低差がありました。これと似たように凹んで見える丸B地点、および、リュンカー山のように僅かに盛り上がって見える丸C地点の標高も見てみました(下B・C図)。見た目の印象と、実際の標高変化が一致したでしょうか?私は見事に裏切られました…。見た目にだまされてはいけませんね。今回は1方向の径しか表示していませんが、本当の起伏は色々な方向から測るべきですので、気になる方はぜひご自身でやってみてください。

下D画像は月面南部。バイイが見えてきましたよ。バイイBの影が対岸の壁まで届いていますね。インギラミ内部はまだ真っ暗。下E画像は横構図であらためて撮ったダーウィンから湿りの海にかけて。前出のダーウィン画像から約1時間経っています。大きくは変わらないけれど、ダーウィン・ドームの日向の面積がほんの少し増えました。ドームらしく盛り上がって見えるのは更に1時間待たなくてはなりません。

そうこうしている内に薄雲が張り出し、明け方にはすっかり曇ってしまいました。さあて、次の晴れ間はいつになるでしょうか…。

  • アリスタルコス周囲の起伏A

    A.起伏A
  • アリスタルコス周囲の起伏B

    B.起伏B
  • アリスタルコス周囲の起伏C

    C.起伏C


  • 20240323シッカルト、シラー、ティコ

    D.シッカルト周囲
  • 20240323ダーウィン、ビエト、湿りの海

    E.湿りの海周囲


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