満月前の月とZTF彗星2023/02/05

20230204_16738月
昨夕は少し雲が残り透明度も悪かったものの、予報より早めに快晴となりました。満月前の月とZTF彗星(C/2022 E3)の様子を観察してみました。

左画像は4日23:40ごろの撮影で、太陽黄経差は約167.38°、撮影高度は約76.28°、月齢13.74。月面A地形がすっかり明るくなるほどの月相で、グリマルディ奥のリチオリやヘディン、オルバースなどのクレーターが朝を迎えています。見どころはやはりバイイでしょうか。巨大クレーターが惜しげもなく全容を見せていました。

また緯度秤動がマイナス6°を越えていたため南極側がとても良く見え、アムンゼンのクレーター底まで光が当たっているのが確認できました。縁ギリギリですが月面南極点のあるシャクルトン・クレーターも写っていますよ。向こう三日間ほどは見えていると思います。

明日6日3:29ごろに満月ですが、先立って昨夕17:39JSTに遠地点を通過しました。今年起きる14回の遠地点通過のなかでは8月16日に次いで遠い距離。従って明日の満月もまだ遠いままで、今年の満月では最も遠い(小さい)ケースとなります(右下図参照)。

2023年・朔望と月距離
満月が高くなる前の時間は、二日間の悪天で見ることができなかったZTF彗星(C/2022 E3)を観察。さすがにどうやっても月明かりを避けられませんから、ストレートに撮影しました。背景が明るすぎてぱっと見は尾が無くなったように感じましたが(下A画像)、ゴリゴリにコントラストを高めてあげると(下B画像)、天の東方向(左方向)やや下向きにイオンテイルが伸びており、またダストテイルも北側に大きくカーブしていることが分かるでしょう。地球最接近の夜と大きく違うのは、二種類の尾のなす角度が90°より小さくなったこと。今後はこれを踏まえて構図を考える必要があるでしょう。

今夜と明日夜はぎょしゃ座のカペラに3°程度まで接近します。月明かりがあるけれど、目の良い方なら双眼鏡で同一視野に見えると思われます。

  • 20230204_ZTF彗星(C/2022 E3)

    A.4日夜半前のZTF彗星(C/2022 E3)
  • 20230204_ZTF彗星(C/2022 E3)

    B.Aを白黒反転高コントラスト化


今日の太陽2023/02/05

20230205太陽
朝から良く晴れています。明け方はマイナス4度近くまで下がったけれど、日中は10度超えの暖かさ。立春をすぎてその名の通り春らしくなったのもなかなか珍しい。

20230205太陽リム
左は10:10頃の太陽。活動領域はあまり変わらず。プロミネンスは左下リムがすごく発達しました。右端少し上リムのものも素晴らしい。行きつ戻りつ、しばらく大きな変化はなさそうですが、2025年ごろの活動ピークに向けて着々と活発になっているようです。