強風のなかで惑星、月、新天体観察2023/02/27

20230226宵空
昨夕もよく晴れていましたので、天気に阻まれて二日間見えなかった宵空の金星と木星を眺めました。

左および右下画像は26日18:10過ぎの撮影。撮影時の両惑星間離角は約3.85°です。最接近4日前ですから、さすがに近く感じますね。APS-C+180mmほぼノートリミングの写野にすっぽり収まります。最終的にこの1/8程度まで接近しますので楽しみ。

今回の最接近は日本時間で3月2日14:04ごろです。惑星たちは南中した頃だから、青空の中でも探しやすいかも知れません。よく晴れていれば望遠鏡を使って金星はもちろん木星も見えますから、可能な方は挑戦してみてください。

20230226金星と木星
最接近離角は0.489°(日本経緯度原点での測心計算/以下同様)、つまりおおよそ満月の視直径程度なので、満月がすっぽり視野に入る倍率ならばちょうどよいでしょう。金星が北側、木星は南側。視野の東西南北をしっかり確認しておくとよいでしょう。

金星と木星が2°以内・太陽離角15°以上の条件で接近するのは2000年から2100年までに59回あり、今回の接近は近い順で言うと18位の好成績。この先でこれに匹敵するのは、2028年11月10日09:56(0.611°)、2032年02月07日11:17(0.341°)、2035年05月18日05:29(0.500°)などがあります。

頻度が高いとは言えない現象、しかも金星が絡むと太陽に近くてなかなか好条件で見ることができないため、ひとつひとつのチャンスを十分に活かすのが大事ですね。

20230226_07945月
昨宵は午後に強まった風の影響で6m/sオーバーの強風がコンスタントに吹いており、短焦点であっても撮影がブレて大変でした。月が綺麗だったため迷いましたが、徐々に収まる傾向であったので隙を見て撮ってみました。

左は19時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約79.45°、撮影高度は約57.54°、月齢6.12。すぐ近くにプレアデス星団が見え、双眼鏡では見事な眺めでした。シーイングは悪く、風による振動もあって悪像です。

上弦までもうすぐ、今夜(27日夜)に月がしずむころには月面XやLOVEが見えてくるでしょう。左画像では月面グーやアルタイ断崖がよく見えています。ラモント周囲のリンクルリッジがとてもよく見えていますね。気象条件が良ければ拡大したかった…。(メモ:当日19:12JSTのラモントにおける太陽高度は6.0°。月面低標高地形は概ね5°前後が見やすい→2019年6月28日記事参照。)

20230226_TCP J03400682+4809123
さて昨日の記事で静岡の西村さん発見による突発天体を掲載しましたが、23日19:30過ぎには群馬県の小嶋正さんがペルセウス座に14.0等の突発天体を発見しています。昨夜月を見た後、そのままの機材で撮影してみました(右画像)。画像左下のゴーストは写野外至近にあるδPerのものと思われます。

該当位置には白っぽい星が写っています。今回試験的に導入した光害カットフィルターを使ったため色味調整がまだ分からないのですが、矮新星らしいとのこと。立て続けの新天体発見、素晴らしいですね。

今日の太陽2023/02/27

20230227太陽
朝から透明度の良い青空が広がりました。昨夜半近くまで吹いていた強風もすっかり止んでいます。太陽周囲に弱い花粉光環が見えましたが、写真に撮れないほどの薄さです。

20230227太陽リム
左は10:20前の太陽。左端やや上に小さな黒点が現れました。待望の後続ですね。活動領域13229を中心とした活発さは落ち着いてきたようで、X線フラックスのベースもC1レベルまで下がってきました。右リム上下に見えるプロミネンス、まだ継続中でしたが、南のほうは吹き上がりが宙に浮いており、ぼちぼち終わりかも知れません。いっぽう左下リムに広範囲のものが見え始まりました。