月面南極のアムンゼン・クレーターを確認2019/05/17

20190516月面南極側
明け方まで月が残るようになったので、ひとまず暗い天体の観察はお休み。昨夜から今朝は安定して晴れたので、月面観察を楽しみました。少し大気が乱れることもありましたが、冬に比べればはるかに落ち着いています。

上弦過ぎから満月前までの期間、秤動によって月面中央緯度がマイナスの極大となる…つまり南極側クレーターが適度な陰影を持ちつついちばん良く見えるタイミングになるのは、今年の場合5月と6月のみ。ちょうど昨夜は絶好のタイミングだったのです。そこで、南極付近のクレーターがどこまでたどれるか観てみました(左画像/16日22:45ごろ撮影)。

実は2015年8月31日記事で紹介した、南極探検家のロバート・スコットさんとロアルド・アムンゼンさんの名を冠したクレーターを「ペアではっきり見たい!撮りたい!」という野望があったのですが、縁ギリギリにあるアムンゼン・クレーターを視認するのは容易ではありません。でも昨夜はかなり良い感じに見えました。

左上画像の下端付近を拡大して、あらためて下に掲載します(B画像はA画像に主なクレーターの名前を書いたもの)。月面下端近くにあるアムンゼン・クレーターの内部まで日が差し込んでおり、おまけにセンターピーク(クレーター中央にある突起状の小さな山)まで確認できました。今まではクレーターの縁が光っている所までしか見えなかったので正直ビックリ!やってみた方は理解できるでしょうが、リム付近の地形を記録することは秤動方向と陰影タイミングがマッチするチャンスが極めて少ない上に、天候に阻まれることも多くて実に難しいんです。

  • 20190516月面南極側拡大

    A.月面の南極側
  • 20190516月面南極側拡大

    B.月面の南極側(名称付き)


この他、二ヶ所ほど名所を巡ってみました。下C画像はシラー・クレーターを中心に、ティコ、クラヴィウス、シッカルドなど。D画像は虹の入り江やプラトーあたり。プラトーの右上に北極近くも少し見えていましたが、北極側が良く見えるチャンスは8月と9月にやって来るので、そのときまた見てみましょう。今年はアポロ月面探査50周年ということで、みなさんも様々な月に接してみてください。

  • 20190516月面・シラー付近

    C.シラー付近
  • 20190516月面・虹の入り江付近

    D.虹の入り江付近


コメント

トラックバック