強風の明け方を駆け抜ける天宮2号2018/10/07

20181007天宮2号
台風の影響で昨夕から流れの速い雲が湧きましたが、夜半を過ぎてから明け方にかけては秋から冬の天の川が見えるほど良い星空となりました。でも7m/s前後の風がひっきりなし。これでは転倒の危険があって機材は出せませんし、出したところで撮影もできません。

せっかくの空なのでもったいない、広角カメラで固定撮影くらいなら大丈夫だろうと対象を探したところ、中国の宇宙ステーション「天宮2号」が天頂近くを通ることを思い出しました。さっそく準備し、撮影したのが左画像です。自分が風上に立って風よけしながらのキツい撮影でした。9秒露出+1秒間欠の繰り返しで撮影したので点線状の軌跡になっています。おおよそ1等台に輝き、自分が見た中ではトップクラスの明るさでした。

今年2018年4月2日に「天宮1号」が制御不能のまま日本上空通過直後に太平洋へ落下したことをお忘れの方は多いと思いますが、実は天宮2号も来年2019年7月に落下予定です。ただし今度は計画的落下(と中国は発表してる)とのことで、これが正しい情報だとすればこの明るい人工衛星を観察できるのは残り9ヶ月。好条件で見えるのは月に1、2度程度なので、ぜひ今のうちに見ておいてくださいね。

20181007月
天宮2号撮影時はもう薄明が始まっていましたが、ふと気付けばすっかり細くなった月が隣家の屋根から登っていました。尖ったゴンドラ舟のように水平に浮かぶ姿は実に幻想的で、風さえなければ、あぁ、風さえなければ(笑)。右は望遠レンズのみでお隣さんの生け垣の間から撮影したもの。背景の微光星はしし座の後ろ足付近です。秋の明け方に見える極細月はこのように水平に、また春は立った状態で登ってきます。

既にオリオン座は南中し、しし座や北斗七星もすっかり姿を見せました。2週間ほどでオリオン座流星群を迎えますが、次の満月期が始まってますので流れ星は少ないと思われます。今年の十三夜(後の月・豆名月)は10月21日。それを過ぎると北国から雪の便りも多くなるでしょう。

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