ヨーロッパを襲う冬の嵐 ― 2018/01/04
昨日発生した台風1号は丸一日たって消滅しましたが、まだ熱帯低気圧として活動が続いています。日本でも冬の嵐がニュースになっており、アメリカやカナダもクリスマスの頃から大寒波。ここに来て、しばらく暖かかったヨーロッパにも強い冬の嵐がやってきたそうです。
大西洋北部からアイルランド、イギリスに向かったこの嵐は今年元日にStorm Eleanor(エレノア)と名付けられました。その後フランスやスペインを始め各地に大きな被害をもたらしました。左はMeteociel.frサイトで公開されている気象衛星EUMETSATの画像。強い低気圧の中心がオランダの北海上にあって、台風のような渦が見えます。中心付近の気圧は一番低いときで967hPaとのことでした。(※気圧だけなら、北海道近くで発達する低気圧も同じくらい下がりますね。)
右はMet Officeによる3日12:00UTの地上天気図ですが、これを見ると前線の構造がものすごいですね。Storm Eleanorによる被害は強風と大雨、大雪による倒壊、倒木、洪水、土砂災害、列車脱線、凍結、空港閉鎖、イベント中止など多岐に及んでいるようです。
いくつもニュースを読みました。イギリスのニュースが多いけれど丁寧に探すと多かれ少なかれヨーロッパ全域に被害が出ているようです。最大風速が155km/h(約43m/s)に及んだところもあり、エッフェル塔頂でも140km/h(約39m/s)を記録、営業中止になったとのこと。Storm Eleanorは中心よりむしろ南に延びる前線が被害を出しているようです。本日に嵐の影響は地中海までおよび、風速50m/s近くの強風が島々を襲っているかも知れないと言うことです。静かなイメージのヨーロッパでもこんな事が起こるんですね。
下は上記EUMETSATの赤外画像(3日9:00-18:00)で作ったGIF動画。ヨーロッパを駆け抜ける嵐の様子が分かります。これ以上被害が出ないと良いのですが…



