寒くても活発な地球2018/01/20


30日間気温平均の平年差(-2018.1.19)
暦の上では一年でもっとも寒さが厳しい「大寒」を迎えました。当地・茨城県南部では朝から小雨がぱらつき、午後になっても雲が取れません。来週半ばの1月25日「日本最低気温の日」を前にまたしても強烈寒波の予報も出ており、雪の多い地方が心配。ただ、ここ1ヶ月のアメダス気温データを均して見ると、東北北部から北海道にかけて平年より1度から3度ほど気温が高い傾向です。寒波寒波と言ってる割に寒くないのかなぁと混乱…。(右図は気象庁サイトからの引用で、昨日までの30日間気温平均の平年差マップ。)

その北海道ですが、今週に入って衛星上から見渡せるほど雲が途切れた日が何度もありました。NASA・WorldViewサイトから地球観測衛星MODIS/Terraの撮影画像を下に引用します。日付は昨年の台風21号の影響で道内広範囲に雪が積もった10月24日と、今週の1月17日、19日、そして本日20日。身震いするほど寒そうですが、我慢して見比べてみてください。

19日の画像が分かりやすいと思いますが、上辺やや右寄りから、コーヒーに注いだミルクのような模様が降りてきましたね。これは昨年11月末頃にでき始めた流氷です。樺太の東海岸に沿って南下しており、まもなく北海道から見えるでしょう。海上保安庁の海氷情報センターによれば、流氷初日の平年値は網走で1月24日、紋別で1月28日、羅臼で2月7日、根室で2月13日、稚内で2月14日。この氷の大移動を見ると計り知れない地球のエネルギーを感じます。今年もまた流氷渦(流氷大回転)ができるでしょうか?

  • 20171024北海道(Modis/Terra)

    A.2017年10月24日
  • 20180117北海道(Modis/Terra)

    B.2018年1月17日
  • 20180119北海道(Modis/Terra)

    C.2018年1月19日
  • 20180120北海道(Modis/Terra)

    D.2018年1月20日

地球観測衛星MODIS/Terraの画像を引用したついでに…。

1月10日、カムチャッカ半島にある火山のひとつ、シベルチ山で噴火活動があり、KVERT(Kamchatka Volcanic Eruption Response Team)からREDアラートが出されました。

北東側に火山灰が広がる様子をMODIS/Terraが捉えています。下E・F・G画像は9日から11日まで同じ場所をクリップしたもの。火山位置はE画像に示しました。画像南側のクリュチェフ山からも噴煙が出ており、こちらにも年始頃から度々ORANGEアラートが出ています。またクリュチェフ山のすぐ南、ベズイミアニ山で1ヶ月前の12月20日に大噴火が起こったことは記憶に新しいですね。寒くても、雪が積もっても、凍りついていても、地球の活動はお構いなしです。

  • 20180109カムチャッカ(Modis/Terra)

    E.2018年1月9日
  • 20180110カムチャッカ(Modis/Terra)

    F.2018年1月10日
  • 20180111カムチャッカ(Modis/Terra)

    G.2018年1月11日