月と四惑星の会合が始まりました2018/01/11

20180111月・木星・火星の接近
昨夜はとてもよく晴れましたが、庭の前を通る道路の工事で一晩中眩しい照明が灯され、自宅からの彗星観察などは無理でした。月の出が遅くなって観察時間が増えているのにバッドタイミング…。仕方がないのでカメラを抱え、見晴らしよい場所へ徒歩移動。ターゲットはもちろん明け方の天体会合です。

先日7日に木星と火星が大接近しましたが、その時一緒の空に見えた月と水星、そして合を過ぎて明け方にまわった土星がいっぺんに見えるチャンスです(→アーカイブ「多天体の接近現象」参照)。低空まで見晴らしが良く、同時に雲や霧のない快晴でないと、水星や土星は見えません。でも今朝は完璧でした。雲ひとつなく、霜も少ないから乾燥しているのが分かり、透明度は申し分ありません。

まず、上空で接近している月・木星・火星にカメラを向けました(左画像)。既に下弦を過ぎて凹みつつある位相ですが、撮影するとやはり眩しく、星々と一緒の露光では形が見えなくなります。左画像は二段階露光によるコンポジットで、月のハレーションやゴーストを低減しています。

次は薄明に染まる空を広角レンズで撮影。月と四惑星、おまけにいくつかの1等星を一網打尽です。でも土星高度は3°あまりしかなく、見晴らしが良ければ同時に見えたであろうケンタウルス座のω星団より低い位置。(この例えで実感できる方はかなりベテラン!)なるべく高く上がるのを待ちつつ、かつ薄明に消されないようなタイミングを計るのがとても難しかったです。経験すると分かりますが、薄明や薄暮時は時刻がたった1分違うだけでも写りに影響しますからね。下A画像では水星と土星が分かり辛いので、原画から等倍で切り出したのが下C画像。ちゃんと写っていますね。肉眼でも確認できました。無事美しい空を観察できて幸せいっぱいです。この月+四惑星の会合は15日まで配置を変えつつ観察できます。晴れたらぜひご覧くださいね。

  • 20180111四惑星と月の会合

    A.四惑星と月の会合
  • 20180111四惑星と月の会合

    B.四惑星と月の会合(文字付き)
  • 20180111水星と土星の接近

    C.水星と土星の接近

今日の太陽2018/01/11

20180111太陽
朝からよく晴れています。相変わらず日が登ると風が強くなりますが、今日は3m/s程度なので弱いほうですね。昼の太陽がわずかに高く感じるようになりました。南中高度が冬至から1.6°しか変わりませんが、毎日観察しているとわずかな違いを敏感に感じることができます。

20180111太陽リム
左は11:50過ぎの太陽。南半球の活動領域12694は健在です。右上リム近くにダークフィラメントが見えますが、残っていればあと二、三日ほどでリムに見え出すでしょうか。左のプロミネンスは光球内に入ってきましたね。