再び活発化する恐れのあるHarvey ― 2017/08/29
26日12:00JST頃にテキサスへ上陸したハリケーンHarveyは、その後急速に衰えつつも各地に大きな被害をもたらしました。そのまま消えてしまうかに思われたのですが、なんと今日で三日も留まり、しかもいったんメキシコ湾へ出たあと勢力を増して再上陸する恐れも出てきました。
左は今朝6:00JST(=16:00CDT)の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。まだ渦の形がしっかりしており、中心の最大風速が熱帯低気圧レベルということ以外はハリケーン時期と何ら変わりません。Harveyの東側は海側からの湿った南風が発達した雨雲を形成して、未だに大雨が続いている状態。渦中心のすぐ右上に大きな雲の固まりが見えますが、この真下には宇宙の街として名高いヒューストンがあります。
右下はNATIONAL HURRICANE CENTERなどの情報を元に、発生から本日29日9:00JSTまでのHarveyの経路と中心付近の最大風速をまとめた地図。風速はノット(KT)、時刻は0:00Z=0:00UTC=9:00JST=19:00CDTです。 今日までの三日間は移動範囲がおおよそ半径100km以内に留まっており、例えるなら「四国上空に三日間も居座っている」ようなものですね。今年の日本でも台風5号が三日間も奄美地方に居座って大変な雨量でしたが、同じような状況。しかも四方が海に囲まれた島と違い、平野の都市部に降る雨は排水ルートや排水量の限界がありますから、海へ出られない分が陸に溜まってしまうでしょう。
移動の遅さや再上陸如何によっては尚も被害が拡大する恐れがあります。嵐が去った後も「長期に渡って生活がままならない状態」が続くことも考えられるでしょう。