いよいよ今夜、皆既日食2017/08/21

20170821日食図
いよいよ今夜(日本時間22日明け方)、北米を横断する皆既日食が起こります。現地は盛り上っていることでしょう。左は今回の日食図(元画像:NASA Eclipse Web Site)。ここに記してある通り、ハワイやシベリア最東部で太陽が欠けたまま登る「日出帯食」となり、これが世界で最も早い目撃の瞬間となります。残念ながら「皆既日食の日の出」が見えるところに陸地はありません。

皆既帯が北米・西海岸に差しかかるのは22日の2:15JST過ぎ。東海岸への到達は3:50JST頃です。この間に皆既食の様子があちこちのメディアで取り上げられるでしょう。部分日食は北米大陸全域は元より、グリーンランドから南米北側まで広範囲で観察でき、欠けた太陽が沈む「日没帯食」はヨーロッパ・アフリカの一部で見ることができます。こちらも残念ながら「皆既日食の日の入り」が見えるところに陸地はありません。

さて、日食と言っても実は様々。皆既日食、金環日食、部分日食という大区分けだけでなく、食分(月がどれくらい太陽を覆うか)や皆既/金環の継続時間もバリエーションがあります。また皆既と金環のハイブリッドタイプもありますよ。

1950年から2050年の101年間に地球上のどこかで見える日食は223回。そのうち今回のような皆既日食(ハイブリッドは除く)は68回起こります。今日の皆既日食は食分が1.0306で、食分順に見ると52位。また継続時間は2分40秒で、日食種に関係ない順位は91位です。日食時間が長いほど喜ばれますが、皆既日食継続時間の単純平均値は3.6分程度なので今回はやや短めです。

前述101年間のなかでもっとも継続時間が長いのは1955年12月14日の金環日食で12分9秒。皆既日食に限ると同1955年6月20日の7分8秒でした。こうした違いはその時の太陽と月の見かけの大きさに寄ります。1月上旬に地球が近日点通過(太陽がもっとも大きく見える)、7月上旬に遠日点通過(太陽がもっとも小さく見える)という時期をご存じの方は、「夏に起こる日食は太陽が小さい状態」「冬は逆」となることが想像できるでしょう。

日食継続時間と太陽・月の大きさ
いっぽう月の大きさはアーカイブ「大きい満月」などを見ると時期が偏る傾向はあるものの、太陽の視直径との相対的な関係は簡単に推測できないので、各場合ごとに計算しなくてはなりません。

一例として、右に今回の北米日食と1955年のふたつの日食について、太陽と月の大きさを比べてみました(Stellariumによる/全て同一スケール)。2つの天体の微妙な大きさの差が、日食継続時間を大きく左右していることが分かるでしょう。今回の日食、多くのみなさんが楽しめると良いですね。

今日の太陽(皆既日食開始の12時間前)2017/08/21

20170821太陽
今日も曇っていましたが、粘りに粘って雲間から少しだけ顔を出した太陽を撮影できました。

左画像は14時過ぎの撮影です。薄雲越しですが、昨日より幾分マシな感じ…。今夜世界の中で最初に日食が見える時刻の、約12時間前の太陽となります。

20170821太陽リム
黒点やリムのプロミネンスの位置は大きく変わらないので、日食前に日本で確認できる「ほぼ最終形態」ですね。中央を過ぎつつある活動領域12671と、左に見えてきた12672が活発みたい。プロミネンスは左下に突出したものがあり、これは皆既日食まで残ってないかも知れません。もう少し大きいのが出ていたら皆既中にも映えるんですけどね。