束の間のお月見2024/01/03

20230103月面南部
元日から二日にかけて一時的な天気の回復があったものの、三日目にはもう下り坂。それでも、期待してなかった3日未明に一時的な快晴夜が訪れたのでお月見を敢行。シーイングは2/10と悪かったので撮影は4シーケンスで切り上げ、あとは眼視に切り替えました。

左は南部を捉えたもの。細かいクレーターは大気の揺らぎで埋もれてしまったけれど、当夜の雰囲気は分かるでしょう。見辛いけれどバイイの全体がさらけ出されています。モレトスもずいぶん縁から離れ、長針のごとき中央丘の影が見えました。この影が途中で切れてスリット状に輝いています。影が不連続なのは変だと思い調べてみると、中央丘北側が大きくえぐれ、輝きの方向に尾根が飛び出ていることが分かりました。えぐれたところは影、尾根だけ細く光るため不連続に見えたのですね。おそらく同じ現象が下弦側のティコでも起こると思われます。機会があれば確認してみます。

シーイングが悪いとスタックの過程で細かい地形が均されてしまう他、コントラストの強いところ/弱いところそれぞれ偽模様が頻出します。フィルム時代やデジタル黎明期に「少ないコマ数のスタック(コンポジット)より、1枚撮りのほうが画質が良い」と言われた所以ですね。ただ、大気越しの画像はどんなにシャープに撮れても「丸い形が丸でなくなる」ことを避けられません。私は多少の偽模様に目をつぶってでも丸を丸にしたいと考えるので、多枚数スタックにこだわっています。

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