天気不安定ながら月面Nを観察2022/12/04

20221203_12468月
昨夕はよく晴れ渡り、薄暮の中で光り輝く月がきれいでした。でも夜半を待たずに崩れる予報であったため、押し気味に観察スケジュールを進めました。

月面N地形が昼間のうちに見ごろを迎えていたはずなので、夜になったらどれくらい周囲が明るくなっているか確認観察してみました。左は18:30ごろの撮影で、太陽黄経差は約124.68°、撮影高度は約51.72°、月齢は9.44。ずいぶん丸くなりましたね。プラトーやコペルニクス周辺がすっかり朝ですから、N地形も見えているだろうと分かります。昨日撮れなかったヘシオドス・クレーターも十分に日が差し込みました。

20221203_月面N地形
右はカルパチア山脈・コペルニクス・ラインホルト付近の拡大撮影。シーイングは酷いものでしたが、なんとかカルパチア内のN地形は確認できますね。I地形のほうはN地形より周囲がかなり明るく、分かりづらい状態でした。撮影時のN地形における太陽高度は約5.03°。N地形が見やすい時刻(見え始めの時刻)から8時間以上経っています。

このあとそばに見えていた木星に望遠鏡を向けると大赤斑が見え始まっていたので、思わず撮影してしまいました(下A画像)。シーイングが悪いことに加え、撮影と同時になぜか近くで打ち上げ花火の大きな音が!ゲリラ花火大会でもやっていたのでしょうか?空振、地面を伝わる振動、流れてくる煙、近くの住民が一斉に動き出したことによる振動などが一気に増えてしまいました。大赤斑、ごめん…。

地球接近前からずっと観察できなかった火星も見たかったのですが、まだ低くて電線群に重なっていたため、2時間ほど待ちました。再度屋外へ出るとなんと雲が広がってる…。無理やり撮影してみましたが、予定していたシーケンス数の半分しか撮影できませんでした。それをどうにか仕上げたのが下B画像。マリネリス渓谷や子午線湾が確認できます。北極側の雲はずいぶん小さいですねぇ。こちら側だけでしょうか?なんにせよ、11月28日の観察以降観ることができなかった火星を(雲越しながら)ようやく堪能できました。

  • 20221203木星

    A.木星
  • 20221203火星

    B.火星


今日の太陽とISS日面通過2022/12/04

20221204太陽
昨日から今日にかけても不安定な天気が続いています。明日夜から明後日はまたまとまった雨になる予報。冬の入り口でこんなにばたつく年も珍しいですね。

20221204太陽リム
左は10:10過ぎの太陽。低空を雲が流れ始まっていましたが、晴れているうちに撮影しました。各所の黒点がよく目立っています。左上にやっと13156という番号がつきました。更にリム側にも黒点が現れています。左下のプロミネンスが面白いほど林立してますね。右端やや下など何ヶ所かのプロミネンスは宙に浮いています。

20221204ISSの日面通過
ところで今日午前に、我が家を含む関東エリアで国際宇宙ステーションの日面通過が予報されていました。太陽が低い季節のため自分の使えるアパート駐車場からは隣家の屋根ぎりぎり。かろうじて観察できました(右画像/画像上方向が天の北方向)。このために前夜のうちに赤道儀を設置しておいたのです。

予想通りシーイングが悪くてISSが不鮮明だったことと、撮影カメラでドロップフレームが頻発したことを除けば、満足な結果です。私は病気のため自力移動や重い機材の使用が困難ですので、可視エリアが限定される現象を見に遠征することができません。今回のように自宅で偶然見えたことは本当にラッキーでした。このISSには日本人宇宙飛行士の若田光一さんが乗り込んでいます。日本人としては最多となる5回目の搭乗です。