今年は朔旦冬至に近い年 ― 2022/11/30
早いもので、もう12月を迎えます。色々な出来事に「今年最後の」といった修飾がついて回るひと月になります。
さて、今年最後の新月は12月23日。これは22日の「冬至」の次の日にあたります。このことを聞いたとき「朔旦冬至」という言葉が脳裏にすぐ浮かぶ方はかなりの天文通(または暦通?)でしょう。朔旦冬至とは冬至と12月新月の日付が一緒になること。直近で朔旦冬至になった2014年12月22日にブログ記事を書きましたが、もう8年も経つんですね。
記事内に「冬至と12月新月のシンクロ具合」と題した一覧表を掲載してありますが、19年周期でやってくる朔旦冬至に加え、周期から外れた年でも朔旦冬至が起こったり、日付差が数日以内の年が出現することを示しました。今年は朔旦冬至ではないものの、日付差は1日、厳密な計算では36.4777時間の差となり、ニアミスしていることが分かります。
周期性が視覚的に分かるよう、「新月瞬時-冬至瞬時」という時間差を自作プログラムで計算し、グラフ化したのが冒頭の図です。1900年から2100年の201年間を計算しました。図のクリーム色のところが冬至瞬時プラスマイナス24時間の範囲。この中にあって、かつ日本時間での日付まで一致する場合は赤丸(=朔旦冬至の年)、それ以外は中抜き青丸で示してあります。遠くからぼんやり眺めると、丸印は一定間隔をおいて法則性を持つことが見て取れるでしょう。
2014年以降はずっと時間差が大きい年が続き、今年になってようやく48時間を越えないケースとなりました。次回は2033年の5.0083時間ですが、この年も冬至が12月21日22:46、新月が22日03:47であり、時間差は小さくても日付をまたいでしまいます。次の朔旦冬至は2052年までやってきません。しかしながら2052年は時間差がわずか2分12秒という驚異的な一致となります。まぁ、特に何か起きる訳ではないけれど、お正月になった瞬間に新月を迎えるくらいの貴重さはあるかも知れません。1600年から2600年の1001年間で朔旦冬至は33回起こるようですが(記事下の表参照)、そのなかでも一番近いケースでした。
現代は旧暦を使いませんからあまりぴんと来ないお話しでしょうが、冬至に向かって月が欠け、日が延び始めると共に新しい月が満ち始めると考えたら、なんだかとてもおめでたい気分。今年12月、そんな思いに浸ってみてはいかがでしょうか。
参考:
アーカイブ「新月とブラックムーンの一覧」
さて、今年最後の新月は12月23日。これは22日の「冬至」の次の日にあたります。このことを聞いたとき「朔旦冬至」という言葉が脳裏にすぐ浮かぶ方はかなりの天文通(または暦通?)でしょう。朔旦冬至とは冬至と12月新月の日付が一緒になること。直近で朔旦冬至になった2014年12月22日にブログ記事を書きましたが、もう8年も経つんですね。
記事内に「冬至と12月新月のシンクロ具合」と題した一覧表を掲載してありますが、19年周期でやってくる朔旦冬至に加え、周期から外れた年でも朔旦冬至が起こったり、日付差が数日以内の年が出現することを示しました。今年は朔旦冬至ではないものの、日付差は1日、厳密な計算では36.4777時間の差となり、ニアミスしていることが分かります。
周期性が視覚的に分かるよう、「新月瞬時-冬至瞬時」という時間差を自作プログラムで計算し、グラフ化したのが冒頭の図です。1900年から2100年の201年間を計算しました。図のクリーム色のところが冬至瞬時プラスマイナス24時間の範囲。この中にあって、かつ日本時間での日付まで一致する場合は赤丸(=朔旦冬至の年)、それ以外は中抜き青丸で示してあります。遠くからぼんやり眺めると、丸印は一定間隔をおいて法則性を持つことが見て取れるでしょう。
2014年以降はずっと時間差が大きい年が続き、今年になってようやく48時間を越えないケースとなりました。次回は2033年の5.0083時間ですが、この年も冬至が12月21日22:46、新月が22日03:47であり、時間差は小さくても日付をまたいでしまいます。次の朔旦冬至は2052年までやってきません。しかしながら2052年は時間差がわずか2分12秒という驚異的な一致となります。まぁ、特に何か起きる訳ではないけれど、お正月になった瞬間に新月を迎えるくらいの貴重さはあるかも知れません。1600年から2600年の1001年間で朔旦冬至は33回起こるようですが(記事下の表参照)、そのなかでも一番近いケースでした。
現代は旧暦を使いませんからあまりぴんと来ないお話しでしょうが、冬至に向かって月が欠け、日が延び始めると共に新しい月が満ち始めると考えたら、なんだかとてもおめでたい気分。今年12月、そんな思いに浸ってみてはいかがでしょうか。
【1600年から2600年までに起こる朔旦冬至】
冬至(JST) | 12月新月(JST) | 時間差 |
---|---|---|
1604年12月21日 19:05:58 | 1604年12月21日 4:06:31 | -14.9908 |
1623年12月22日 9:52:48 | 1623年12月22日 3:31:42 | -6.3515 |
1642年12月22日 0:38:28 | 1642年12月22日 3:37:47 | 2.9887 |
1661年12月21日 15:14:00 | 1661年12月21日 23:08:49 | 7.9138 |
1680年12月21日 6:04:30 | 1680年12月21日 10:45:02 | 4.6754 |
1699年12月21日 20:46:57 | 1699年12月21日 17:53:53 | -2.8846 |
1718年12月22日 11:26:05 | 1718年12月22日 5:08:54 | -6.2862 |
1737年12月22日 2:12:53 | 1737年12月22日 0:19:24 | -1.8913 |
1786年12月21日 23:34:03 | 1786年12月21日 1:49:08 | -21.7485 |
1832年12月22日 3:50:57 | 1832年12月22日 11:34:39 | 7.7283 |
1870年12月22日 9:12:20 | 1870年12月22日 21:18:05 | 12.0959 |
1900年12月22日 15:40:49 | 1900年12月22日 9:00:31 | -6.6719 |
1938年12月22日 21:13:02 | 1938年12月22日 3:06:22 | -18.1114 |
1984年12月22日 1:22:48 | 1984年12月22日 20:46:36 | 19.3965 |
1995年12月22日 17:16:47 | 1995年12月22日 11:22:25 | -5.9063 |
2014年12月22日 8:03:01 | 2014年12月22日 10:35:51 | 2.5471 |
2052年12月21日 13:17:27 | 2052年12月21日 13:15:15 | -0.0366 |
2090年12月21日 18:45:14 | 2090年12月21日 10:30:50 | -8.2399 |
2109年12月22日 9:29:45 | 2109年12月22日 7:43:05 | -1.7779 |
2128年12月22日 0:15:41 | 2128年12月22日 8:11:35 | 7.9315 |
2166年12月22日 5:36:54 | 2166年12月22日 22:08:25 | 16.5253 |
2204年12月22日 10:54:19 | 2204年12月22日 14:52:24 | 3.9683 |
2223年12月23日 1:40:23 | 2223年12月23日 6:23:47 | 4.7235 |
2272年12月21日 22:52:09 | 2272年12月21日 13:22:59 | -9.4862 |
2386年12月22日 14:50:02 | 2386年12月22日 17:06:13 | 2.2696 |
2405年12月22日 5:34:54 | 2405年12月22日 7:46:48 | 2.1983 |
2424年12月21日 20:18:42 | 2424年12月21日 15:42:38 | -4.6010 |
2443年12月22日 10:54:36 | 2443年12月22日 0:30:45 | -10.3975 |
2481年12月21日 16:17:17 | 2481年12月21日 15:30:10 | -0.7853 |
2500年12月22日 7:01:41 | 2500年12月22日 15:53:47 | 8.8684 |
2557年12月22日 2:57:44 | 2557年12月22日 9:00:48 | 6.0510 |
2576年12月21日 17:34:49 | 2576年12月21日 19:05:36 | 1.5131 |
2595年12月22日 8:16:30 | 2595年12月22日 13:04:26 | 4.7988 |
冬至(JST) | 12月新月(JST) | 時間差 |
- 自作プログラムによる計算です。(使用暦表:JPL-DE440)
- 2014年の記事内の表と計算方法が異なるため、若干違うところがありますのでご容赦ください。
参考:
アーカイブ「新月とブラックムーンの一覧」