今年最早だった昨日の満月2022/10/11

20221010_18803月
昨日は一日ぐずついたお天気。静岡程では無いけれどちょっぴり雨も降りました。夕方になって雲が引いていることを確認。でも空全体を薄雲が覆っており、夜には濃くなる予報。満月を期待していたのですが無理かなぁ…と思っていました。

月が隣家の屋根から顔を出した頃はかなりの雲厚でしたが、ときどき眺めているうちに雲の薄くなったところから眩しい月明かりが見えるタイミングもありました。結構強めの風が吹いていたため望遠鏡は諦め、高倍率デジカメを向けて様子を見ながら、なんとか撮ってみました。左は21:25ごろの撮影で、太陽黄経差は約188.03°、撮影高度は約44.58°、月齢は14.60。満月瞬時は10日5:55でしたから半日以上過ぎて、東側が欠け始まっていましたが、それでも月齢が15に届いてないのはちょっとびっくり。

調べてみると、右下図・赤点線の通り、今月の満月は今年のなかで最も月齢が若いケースでした。月齢とは新月瞬時から何日経ったかを示す数字です。つまり今月は3月の頃より1日半以上も早く満月になってしまったことが分かるでしょう。

満月瞬時の月齢
月は地球を楕円軌道で回ってますからケプラーの法則に従って近地点で早く、遠地点で遅く運動します。直近の遠地点通過は9月19日23:46:07、近地点通過は10月5日01:40:52 でした。前回の下弦ごろから今日までいちばん早く運動していた時期だったのですね。なお右図の通り毎年秋ごろ早いという訳ではありません。次第にずれてゆく現象です。

10月は現代暦で言えば秋のど真ん中でしょうか。ひな祭りやこどもの日、七夕やお盆まで新暦に取って代わられた現代では、10月の満月も「新・中秋の名月」として愛でても良いかも知れませんね。

夜半過ぎに再び空を仰ぐと、雲量が減っていたものの相変わらず薄雲が覆っていました。月の周りには下A画像のような見事な月暈(月の内暈)。内暈右側には秋の四辺形、右上にはアンドロメダ銀河も微かに写っています。右下の明るい星は木星。撮影時の月・木星間離角は約24.81°で、内暈の半径22°より少し長いですね。少し経つと光環も目立ってきて、大変きれいでした。月が眩しいため、屋根の一角に月を隠して撮影したのが下B画像。B画像右縁近くやや上の輝星はうお座η星、左端やや下の輝星はうお座α星。うお座αは二匹の魚を結んでいるリボンの中央(星座絵ではリボンが折れ曲がったところ)の星です。

昼間降った雨が乾かず、5m/sほどの南寄りの風が相まって猛烈に蒸しています。立っているだけで疲れるような夜ですが、満月のおかげで少し癒やされました。

  • 20221011月暈

    A.月暈
  • 20221011月の光環

    B.月の光環


今日の太陽2022/10/11

20221011太陽
昨夜から今朝は薄曇りの満月夜。今朝からもやや曇りがちな晴れが続いてます。なかなかスッキリと晴れてくれませんね。先週とは打って変わって日中暖かく感じます。

20221011太陽リム
左は10:10ごろの太陽。なかなか晴れなくて一週間ぶりの観察だったため、黒点位置の変わりように驚きました。北半球中央子午線を越えつつあるのが13119。その右にある団体が13112・13116に13120が加わりました。

南半球を飾っていたダークフィラメントは一掃され、最後の一本と思われるものが右下に明るいプロミネンスとして見えていました。更に新たなダークフィラメントは続いているようですね。一番驚いたのは南半球高緯度の大きなプロミネンス。測ってみたら南緯60°を越え、全幅の中心は南緯70°付近でした。こんな高緯度にも出るもんなんですねぇ。また、左下から活発な領域が入ってきました。これも期待大です。