夕空の二日月やへびつかい座RS星を観察2021/08/11

20210810夕方の月と金星
昨日はほぼ快晴でしたが、一昨日から続く風がなかなかやみません。ようやく落ち着いてきたのは夕方からでした。新月を過ぎ、日没後の極細月が期待できそうだったので早めに準備。低空に雲があり、時折ごぉっと風が吹きますが、なんとかいけそうでした。

日没から10分も経たないうちに低空の月や金星を発見。既に月齢が2近くですから位置さえ把握できていれば簡単です。左は日没35分後の空。雲に邪魔されることなく月を拝むことができました。水星も外合を経て夕空に回っているのですが、まだ太陽に近すぎて見えません。

20210810夕方の月
月のアップも狙ってみました(右画像)。撮影時の太陽黄経差は約22.64°、撮影高度は約10.0°、月齢は1.84、画像上方向が天頂方向、青空の影響は極力省いてあります。この月は8月7日明け方に撮影したものと撮影高度が2°程度しか違いませんが、赤緯が10°も南下したために「薄明とのコントラスト」「シーイングの影響」など日周運動に対する変化速度がかなり違います。明け方と夕方の大気状態の差も大きいでしょう。平たく言うと7日明け方よりもずっと撮りづらいと感じました。像の乱れがこの程度で済んだのは不幸中の幸いです。

休むまもなく、今度は増光中のへびつかい座RS星の観察準備。風が気になるため大型機材は出さず、小型望遠鏡で狙いました(下A画像)。ひと目見て昨夜よりやや減光したことが分かりました。この画像からの簡易測定では5.37等。1日で1等近く暗くなってしまいました。今後も継続観察したいところですが、今夜から一週間ほど天気が思わしくないようです。残念…。(参考:下B図は8日UTから本日昼までのAAVSOによる光度曲線。)

ついでにRS Ophと同類の反復新星(回帰新星/再帰新星/Recurrent Nova)のなかで向こう10年内に肉眼等級になるかも知れないかんむり座T星も撮影(下C画像)。過去の記録では極大で2等から3等程度になるみたいですから楽しみですね。ちなみに下画像で図ると9.57等。今は望遠鏡がないと見えません。

  • 20210810_RS Oph

    A.RS Oph
  • 20210811_RS Oph

    B.RS Ophの光度曲線(AAVSO)
  • 20210810_T CrB

    C.T CrB


今日の太陽とハロ現象2021/08/11

20210811太陽
昨夜から今朝は宵のうち晴れ間があったものの、次第に雲が多くなり、明け方には雲だらけになってしまいました。今日も日差しはあるけれど雲多めで推移しています。明日から暫くはときおり雨が降る梅雨のような天気が予報されているようです。絶好の条件だったペルセウス座流星群も望み薄でしょうか。

20210811太陽リム
左は13:30前の太陽。雲越しの撮影で、シャープネスが足りません。活動領域12851のプラージュが右端やや上に小さく見えています。南半球の12852は対流がなんとなく分かる程度。可視光では対の小さな黒点が分かります。12853のプラージュは大きいですね。その左側、リム近くから光球に入ってきた小さなプラージュのところにも小黒点があります。本日昼時点でまだ採番されていませんが、新たな活動領域に加わりそうです。

15時時点の夏日地点数は609、真夏日地点数は207、猛暑日地点数は1でした。昨日より更に減りましたね。九州を横断している前線の影響で大雨の地方があり、今後雨の領域は広がる見込みです。気温変化が激しくなりがちなので体調管理にお気をつけください。

20210811環天頂アーク
【夕方追記】
17時前頃ベランダから天気を確認すると、環天頂アークが見えていました(左画像)。太陽方向はどす黒い雲に覆われてゆく途中だったようで、上空のアークが砂漠のオアシス、一滴の清涼剤のように感じました…。