今日の太陽2015/10/03

20151003太陽
明け方まで曇っていましたが、日が高くなると共に気持ちの良い秋晴れになりました。

左は10:15頃の太陽。端に到達してしまった活動領域12422は今日も活発で、Mクラス・Cクラスフレアを連発しています。

20151003太陽リム
またその辺りから上のリムにかけて、光球面から這い出すようなプロミネンスが見えますね。小さいけどかなり明るくて立派です。左下にも小さいのが出ています。対して、光球面は静穏です。

昨日の爆弾低気圧を振り返る2015/10/03

20151002-0900爆弾低気圧
10月2日9:00の可視画像
10月の扉を開けると、待っていたのは「台風並みの爆弾低気圧に注意」でした。通常台風の元となるのは熱帯低気圧ですが、仕組みの違いはあれど温帯低気圧も急速に発達するケースがあるので、それを爆弾云々と言ってるわけです。そのような低気圧が10月1日から昨日2日にかけて北海道付近を通過し、大きな被害が出ました。爆弾低気圧という言葉は気象庁の正式な用語ではないそうで、個人的にも好きではない言い方です。でも他に言葉が見つからないので使っています。

左は2日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。台風のようにはっきりした渦を巻いているわけではないけれど、北海道の北あたりを中心に力強い雲の流れを感じ取れますね。

気象庁が発表した同時刻の天気図(右下)も併せてご覧ください。見やすいよう日本位置と低気圧を着色しました。等圧線の異常な混み具合がほんとうに台風のようです。中心気圧は946hPaと書いてありますね。10月1日までに消滅した今年の台風21個の「発生中に達した最低気圧」を調べると、12個が950hPa未満、9個は950hPa以上です。渦状かどうかにかかわらず、周囲との気圧差が開くほど暴風になり雨雲も発達するので警戒が必要みたいです。

20151002-0900天気図
10月2日9:00の天気図
雨がどうだったか見てみましょう。下に1日22時から2日8時まで1時間おきの気象庁レーダー画像を載せます。(下部ボタンで手動パラパラ漫画できます。)雨は深夜中心で、朝にはほとんど止みました。注意すべきは「全国的に」降ったこと。台風のように渦の中だけ注意すれば良いわけではないのです。低気圧中心から1000km以上離れてる近畿や北陸、信越で雨量が大きいですね。弱いながら、なんと沖縄まで及んでますよ…。

御嶽山では24時間降水量199.5mm(2日7:00時点で全国1位)、我が家近くの茨城県江戸崎ポイントも1時間降水量43.5mm(同・全国2位)。天気図の「前線の伸び具合」なんて普段は見逃す方が大半でしょうが、こういうときは端っこの地域まで用心が必要ですね。




いっぽう風は夜半から強くなって、雨が上がってからのほうが強くなりました。左は2日0:01から15:00までに集計された最大風速と最大瞬間風速(気象庁サイト/速報値)。黒線が出てるポイントが観測史上または10月観測史上の最高値を更新した場所。深夜からずっとモニターしててどんどん線が増えていくのには驚きました。

20151002-1500日最大風速
日最大風速

20151002-1500日最大瞬間風速
日最大瞬間風速
低気圧中心近くの北海道もさることながら、かなり遠くでも更新されていますね。無論、更新に関係なく20m/s越えたら文句なく暴風です。北海道・利尻島の本泊ポイントでは最大風速32.6m/s、最大瞬間風速43.7m/s(各々2日の全国1位)に達しました。

この暴風とどこまで関係するかは分かりませんが、当地では2日早朝5時過ぎから3度に渡って竜巻注意報が防災放送で流れました。竜巻こそ起こりませんでしたが関東も強い風でした。2日7:00時点でのアメダス最大風速ランキングでは、関東圏の1位が東京・江戸川臨海ポイント20.4m/s、2位が千葉・勝浦ポイント18.8m/s。また茨城県内では1位が龍ケ崎ポイント12.3m/s、2位が下館ポイント11.8m/s。試しに外に出て立ってみたけれど、「歩くのイヤ」「目を開けてられない、コンタクトの人は悲惨」な状態でした。

20151002水位と積算雨量
ところで当地・茨城県内でもドバドバ雨が降った印象だったので、鬼怒川が心配でした。全国モニターと併せて鬼怒川の水位やライブカメラも見ていましたが、ほとんど変化無しです。参考のため、鬼怒川水海道観測所における水位と積算降水量のグラフを右に提示します。平常時と比較するため、降り始めはるか前の9月30日1:00から描きました。降り始めから24時間も降ってないせいか、水位は20cmほど上がっただけでした。こちらの記事の水位グラフと比べてみてください。桁が違いますね。

「こんな暴風雨なのにこの程度か」と思う反面、9月10日-11日がどれほど異常だったかあらためて感じました。

参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)

夜明けの惑星たち+パンスターズ彗星2015/10/04

20151004明け方の惑星たち
昨夜も雲が多く、まとまった晴れ間がなかなか訪れません。明け方にはやや晴れ間が多い時間もありました。夜明け前の東空には三惑星が集合しています。徒歩リハビリがてら、少し歩いて近くの公園に行きました。

今日はしし座のレグルスをはさみ、四つの星がバランス良く並んでいました。左画像でどこに何があるか分からなければ右画像をどうぞ。離角はどれくらいだと思いますか?

20151004明け方の惑星たち
金星−レグルス間が5°4'、レグルス−火星間が5°28'、そして火星−木星間が5°59'でした。離角の見積もりを普段から鍛えておくと、空を見るときとても役に立ちますよ。

5日後の10月9日明け方には金星のすぐ側に月も輝きます。低空まで見渡せる立地の方は水星も見えます。大変豪華な明け方ですので、1回でも良いですから見てくださいね。

20151004金星
明るくなる前に雲間から金星を拡大撮影しました。今は右のような形です。9月22日の撮影と比べるとひとまわり小さくなっています。また、より半月状に近くなりました。約三週間後の10月26日に西方最大離角を迎え、ちょうど半月状になります。

惑星たちを楽しむ少し前にはパンスターズ彗星(C/2014S2)も観察しました。北極星まであと1.5°という場所にいます。10等台前半とかなり明るく、月明かりにも負けていません。
20151004パンスターズ彗星(C/2014S2)
尾が少し長く、幅もV字型に太くなりました。いよいよ二日後の10月6日明け方には北極星に25'角(月の直径より近い)まで近づきます。

パンスターズ彗星(C/2014S2)星図
右に12月1日までの星図(ステラナビゲーター利用)を置いておきますのでご利用ください。楽しみがいっぱいの明け方ですね。

参考:
2015年10月-11月明け方の惑星接近に関係する記事(ブログ内)
アーカイブ:多天体の接近現象(3天体以上の会合の日付)
アーカイブ:天体の接近現象(2天体会合の日時・離角)

今日の太陽2015/10/04

20151004太陽
朝から青空が広がっていますが、時々雲がいきなり空を覆ってしまうようなお天気。太陽観察もタイミングを見なければいけません。

左は11:10頃の太陽。活動領域12422は姿を消してしまいましたが。中央右上に明るく見える12427もなかなか活発です。これを撮った数十分後にフレアが出たようです。

20151004太陽リム
その他はかなり静穏になってしまいました。プロミネンスは左右のリムに小さいものが散見されますが、特に目立つものは無いようです。