ネオワイズ彗星が明るくなってるそうです2020/07/06

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)光度予測
ネオワイズ彗星(C/2020 F3)がとても明るいと評判です。各種SNSやSpaceweather.comなどでも大きく取り上げられているようですね。

左図はCOBSの観測データ(2020年7月6日0:00JST現在)を利用して描いた光度観測グラフと予測値。予測カーブパラメーターは星仲間の吉田誠一氏の式(今日現在)を利用しました。6月28日記事に掲載したグラフよりもピーク時で1.6等ほど明るいようです。太陽観測衛星SOHOの写野を横切った様子から「近日点通過時前後に1.0等より明るくなるのではないか?」と見込んだこととも矛盾せず、ちゃんとフィットしてますね。

ただし、過度の期待はできません。夕空に見え始まったレモン彗星(C/2019 U6/右下図も参照)も同様ですが、ピークを過ぎた後からの減光が予想を遥かに下回っています。アウトバーストでも起こらない限り、今後は急速に暗くなるでしょう。加えて、ネオワイズ彗星は7月下旬まで日本から超低空にしか見えません。

レモン彗星(C/2019 U6)光度予測
彗星状天体の大気による減光は想像以上にひどいのです(→4月5日記事の補記参照)。海外の乾燥して澄んだ空気環境ならともかく、ジメジメした日本の空ではせっかくの明るさも文字通り“半減”ですよね。超巨大除湿機がほしいところです…。

まだしばらく梅雨空続きですが、万が一にも明け方に晴れ間があったら、迷わずこの彗星を探してみてください。今なら肉眼や小型双眼鏡で見えるはず。7月中旬以降は夕空に回ってきます(→6月23日記事の星図参照)。一日でも早く、減光しないうちに観察するのが吉ですよ。

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