アステリズム探訪[2]:キューピッドの矢(や座) ― 2017/06/11
天の川の真ん中に、キューピッドの放った矢が漂っています。見つけたら幸せになれるかな?(下画像にマウスカーソルを乗せる前に探してみましょう。大きな画像は記事末をどうぞ。)
この星の並びは「や座」(Sagitta/略号Sge)というひとつの星座。東西に細長い領域を持ち、88個ある現在の星座で三番目に小さく可愛らしい。でもプトレマイオス48星座に数えられた由緒正しき歴史があります。夏の大三角の「とんがり帽子」が見つかれば探すのは簡単。暗闇に十分慣らした目で帽子の尖ってる頂角の内側を見てください(右のステラナビゲーター星図参照)。この帽子は観察日時や頭の向きで随分回転して見えるため、「尖ったほうに近い」ことを覚えてくださいね。右図では上方向が北極星の方向です。
「場所は多分合ってるのに見えないよ」という方もいらっしゃるでしょう。無理もありません。矢を形どる星は一番明るくても3.7等星。だから3等星までしか確認できない光害地や月の明るい夜だと肉眼では無理。天体向けの小型双眼鏡を使えば星座全体が視野にすっぽり収まります。反対に山奥などの星があふれる場所では、“星が多すぎて”なかなか見つからないことも。冒頭に書いたとおり、ここは天の川のど真ん中だからです。
初めて見つけた方は、星の配列が本当に矢のようで驚かれるでしょう。下のC図でγ星−δ星からα星とβ星に分かれるところなんて矢羽根のフォルムそっくり。でも古い星図ではγ星(またはη星)を矢尻、ε星を矢羽根にあてがうのが一般的でした。なぜそうしたか皆目分かりませんが、星座の結び方は国際的に決まってるわけでなく、「うちが元祖」とか「本家はこっち」とかありません。自由に想像しましょう。
左図はフラムスチード星図のや座付近(オーストラリア国立図書館より引用)。原図はもっと繊細なのでぜひご覧ください。どうしたことか北側の「こぎつね座」に踏みつけられて、なんともかわいそう…。
M天体として有名な亜鈴状星雲(M27/右画像)や球状星団M71など周囲には見所たくさん。天体望遠鏡が使える方は探してみましょう。アステリズム探訪[1]で紹介した「コートハンガー」もすぐ近く。コートハンガーをダイレクトに見つけるのは難しいですが、や座を使えばバッチリ。このエリアは「肉眼」「双眼鏡」「望遠鏡」の視野範囲を使い分けるトレーニングに持って来いです。

この星の並びは「や座」(Sagitta/略号Sge)というひとつの星座。東西に細長い領域を持ち、88個ある現在の星座で三番目に小さく可愛らしい。でもプトレマイオス48星座に数えられた由緒正しき歴史があります。夏の大三角の「とんがり帽子」が見つかれば探すのは簡単。暗闇に十分慣らした目で帽子の尖ってる頂角の内側を見てください(右のステラナビゲーター星図参照)。この帽子は観察日時や頭の向きで随分回転して見えるため、「尖ったほうに近い」ことを覚えてくださいね。右図では上方向が北極星の方向です。
「場所は多分合ってるのに見えないよ」という方もいらっしゃるでしょう。無理もありません。矢を形どる星は一番明るくても3.7等星。だから3等星までしか確認できない光害地や月の明るい夜だと肉眼では無理。天体向けの小型双眼鏡を使えば星座全体が視野にすっぽり収まります。反対に山奥などの星があふれる場所では、“星が多すぎて”なかなか見つからないことも。冒頭に書いたとおり、ここは天の川のど真ん中だからです。
初めて見つけた方は、星の配列が本当に矢のようで驚かれるでしょう。下のC図でγ星−δ星からα星とβ星に分かれるところなんて矢羽根のフォルムそっくり。でも古い星図ではγ星(またはη星)を矢尻、ε星を矢羽根にあてがうのが一般的でした。なぜそうしたか皆目分かりませんが、星座の結び方は国際的に決まってるわけでなく、「うちが元祖」とか「本家はこっち」とかありません。自由に想像しましょう。
左図はフラムスチード星図のや座付近(オーストラリア国立図書館より引用)。原図はもっと繊細なのでぜひご覧ください。どうしたことか北側の「こぎつね座」に踏みつけられて、なんともかわいそう…。
M天体として有名な亜鈴状星雲(M27/右画像)や球状星団M71など周囲には見所たくさん。天体望遠鏡が使える方は探してみましょう。アステリズム探訪[1]で紹介した「コートハンガー」もすぐ近く。コートハンガーをダイレクトに見つけるのは難しいですが、や座を使えばバッチリ。このエリアは「肉眼」「双眼鏡」「望遠鏡」の視野範囲を使い分けるトレーニングに持って来いです。
今日の太陽 ― 2017/06/11
フィリピン西の熱帯低気圧、半日で台風になった! ― 2017/06/11
朝の気象庁発表によれば、台風になるかも知れない熱帯低気圧がフィリピンの西側に発生しゆっくり北上しています。
この熱帯低気圧は10日3時の天気図上で低気圧として現れ、15時には表記が熱帯低気圧に切り替わりました。左画像は今日11日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は熱帯低気圧中心の直径500km円。画像右上に南西諸島が写っています。熱帯低気圧周囲に緩やかな渦が出来つつありますね。
台湾周囲の海水温は平年より1、2度高くなっています。今後の発達状況に注意が必要そうです。
【追記】
この熱帯低気圧は本日15:00に台風2号「MERBOK」になったと気象庁から発表がありました。ひとつ前の台風発生から46日6時間後、消滅からは44日18時間後の発生となります。台風被害は嫌なもので、現在のジャガイモ不足も去年の台風被害が大きな原因ですが、いっぽうで6月8日の記事に書いたとおり、現時点ではダム渇水の原因になり得る「台風不足」であることも事実。複雑な心境ですね…。