アステリズム探訪[1]:コートハンガー2017/05/21

夏なのに「コート掛け」の星列があるよ。でもひっくり返ってる!?(下画像にマウスカーソルを乗せる前に探してみましょう。大きな画像は記事末をどうぞ。)


天体ファンの間で「コートハンガー」と呼ばれる星列は正式名称「散開星団Cr399」。はくちょう座の南側、こぎつね座とや座の境界付近(領域としてはこぎつね座)にあって、小型双眼鏡で見つけることができます。そのものずばり「コート掛け」、つまりハンガーの形に星が並んでいますね。ただし上方向を北極星方向に合わせるとハンガーが逆さになってしまい、鴨居フックみたい。

それにしても、型崩れしそうな直線ハンガーですね。横幅は約1.5°もあり、もしこれに掛けるコートがあったら、着る人の顔が月の大きさほどになるでしょうか?肉眼で直に観察するには小さくて暗過ぎ、望遠鏡では拡大し過ぎ。口径3cmから5cm、倍率7倍程度の小型双眼鏡がちょうど良いですね。

この付近は南天に向かって天の川が濃くなる星野なので、背景が微光星でいっぱい。天の川も一様ではなく斑になって見えることが分かるでしょう。直接探すことができるまでにはかなりの熟練が必要ですが、次のアステリズム探訪[2]で紹介する「や座」を先に見つければ、コートハンガーは難なく探し出せるでしょう。夏の星空散策の折は寄り道してくださいね。

  • コートハンガーm1

    (A)
  • コートハンガーm2

    (B)
  • コートハンガーm3

    (C)Vul…こぎつね座、Sge…や座の略称

今日の太陽とハロ2017/05/21

20170521太陽
地球が春分からスタートして2ヶ月。ちょうど今朝60°ぶんの公転を終え、二十四節気の「小満」を迎えました。朝からよく晴れましたが、日が高くなると淡い雲が出てしまいました。昼前後は消えたものの、夕方にまた空を覆い始めました。

20170521太陽リム
左は9:10頃の太陽。雲越しでコントラストが悪いです。活動領域12656と12658は中央近くになりました。筋状のダークフィラメントが見事ですね。右上にも見えています。周囲にはプロミネンスが全く見えませんでした。

気温は昨日以上に上がり、近くのアメダスポイントは最高気温が31.7度を記録。茨城県内での最高は古河の33.0度(15:00)でした。まだ5月なんですけどね。夕方に出てきた薄雲で何か見えないかと時々気にしていたら、16時過ぎから淡い幻日が見え始めました。16時台は雲の関係で左側しか分かりませんでしたが、17時台になると右側も見えてきました。下画像は17:45頃の撮影で、下左は全体、下右は左右それぞれの幻日を拡大撮影したもの。それほど明るくはなく、見逃してしまうレベルでした。この他のハロは見えませんでした。
  • 20170521幻日
  • 20170521幻日