明るくなっているふたつの彗星2016/12/08

晩春から晩秋まで天候不良が続いたせいで、まともに彗星の観察ができませんでした。暗い天体などは重機材を広げて腰を据えて挑む必要があるので、ちょっとした晴れ間に観察…という体勢が取れません。身体的な都合で自宅から出かけられない私には、とても辛い状況です。

20161208_2015v2
身の上話はさておき、明け方久しぶりに明るい彗星が出ているので撮影してみました。明るいといっても10等以下なので、肉眼では絶対に無理です。機材の不調でフラット補正もひどいものですが、いちおう写っていますのでお許しください。(※白黒画像です。)

ひとつは1年あまり前から増光が期待されていたジョンソン彗星(C/2015V2・左画像)。2017年初夏に7等程度まで明るくなりそうな予報です。現在おおぐま座のしっぽの先(領域はりょうけん座)に12等台で輝いています。1年前からは考えられないほど明るくなり、太い尾も伸びています。

もうひとつは今年10月に発見されたネオワイズ彗星(C/2016U1・右下画像)。少し前にも撮影を試みましたが全く写りません。かなり拡散している上に、移動も速いようです。今回も単発ではかすれてしまってますが、20コマを彗星の動きに合わせて合成し、ようやく浮かび上がりました。

20161208_2016u1
とても大きいですね。今年3月下旬に南天から突き上げてきたリニア彗星(252P)を彷彿とさせます。尾はないようですが、もう10等台に差しかかっている気がします。これも2017年1月中旬に7等台の予報ですが、そのころには日本の空から消えています。

ジョンソン彗星は今冬いっぱい明け方の東天高く見えています。ネオワイズ彗星はあっと言う間に太陽へ接近して急速に増光しますが、それに伴って低くなり、今月末の新月期には薄明開始時でも高度10°台。今が見ごろ(※今週を逃すと来週は月明かりの影響で見えない)ですから、ぜひ望遠鏡を向けてあげましょう。

参考:
ネオワイズ彗星(C/2016U1)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)

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