2024年の台風26号が発生 ― 2024/12/24
気象庁によると、22日9時から台風になるかも知れないと告知されていた熱帯低気圧が、23日15時に台風26号「パブーク/PABUK」になりました。直前の台風25号発生から41日と12時間後の発生、25号より後まで残った24号の消滅からは33日と6時間後の発生になりました。一ヶ月以上台風がありませんでしたが、12月の発生は平均1.0個程度あり、多い年には4個も発生したことがありました(1952年)。
左は26号発生時刻、23日15:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は台風中心の直径1000km円。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。台風中心から北西に遠く離れて雨雲がありますが、中心近くはスカスカですね。風台風なのでしょうか。日本は画像右上です。台風は西進しており、日本への直接的な影響は無さそうです。
明るくなりつつあるアトラス彗星(C/2024 G3) ― 2024/12/24
今年4月に発見され現在太陽に接近しつつあるアトラス彗星(C/2024 G3)は、来年早々肉眼級になる予報が出ています。残念ながら日本から観測するのは厳しく、近日点通過(2025年1月13.435日UTごろ)前後のマイナス等級時期には太陽から10°未満の危険域、それ以外は地平線すれすれ、または地平下の位置です。1月11-16日ごろ昼間の太陽周囲で確認するか、明け方日出直前または夕方日没直後10分程度の間に探すしかありません。日中の撮影は危険が伴い、安全対策を取ったとしてもうまく撮影できる可能性は低いでしょう。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は太陽観測衛星SOHOの写野内を彗星が通過し、素晴らしい映像を見ることができました。計算してみるとこのアトラス彗星もSOHOのLASCO-C3写野を1月に通過するようです(左図/自作ソフトによる/使用軌道要素は12月23日3hUT時点のもの)。図中の日付はUT、目盛りは2時間間隔だから、11日4時UTごろから見えてくるかも知れません。もちろん消滅しないことが前提です。楽しみに待つとしましょう。
いっぽう、もう半月もすると夕空から姿を消す紫金山・アトラス彗星は風前のともしび。もう何回も拝めないだろうから、昨宵の晴れ間に撮影してみました。夕空に回って以降ずっとこの「400mm+APS-C・30分」という条件で撮ってきたものの、さすがに厳しい感じ。
アルタイルのすぐ側なのでサクサク導入できてボーッとした姿がすぐ見つかるし、存在を確認するには申し分ないのだけれど、撮影となると高度20°を下回ってきて光害と霞の影響が酷く、写野の端と端とで大気差の影響も目立ち始めてます。もっと写野を絞り込まないとダメそうですね。まぁせっかくだから年内はこのスタイルで頑張ってみましょう。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は太陽観測衛星SOHOの写野内を彗星が通過し、素晴らしい映像を見ることができました。計算してみるとこのアトラス彗星もSOHOのLASCO-C3写野を1月に通過するようです(左図/自作ソフトによる/使用軌道要素は12月23日3hUT時点のもの)。図中の日付はUT、目盛りは2時間間隔だから、11日4時UTごろから見えてくるかも知れません。もちろん消滅しないことが前提です。楽しみに待つとしましょう。
いっぽう、もう半月もすると夕空から姿を消す紫金山・アトラス彗星は風前のともしび。もう何回も拝めないだろうから、昨宵の晴れ間に撮影してみました。夕空に回って以降ずっとこの「400mm+APS-C・30分」という条件で撮ってきたものの、さすがに厳しい感じ。
アルタイルのすぐ側なのでサクサク導入できてボーッとした姿がすぐ見つかるし、存在を確認するには申し分ないのだけれど、撮影となると高度20°を下回ってきて光害と霞の影響が酷く、写野の端と端とで大気差の影響も目立ち始めてます。もっと写野を絞り込まないとダメそうですね。まぁせっかくだから年内はこのスタイルで頑張ってみましょう。
明け方の月や新天体 ― 2024/12/24
昨夜から今朝も良く晴れました。未明まで仮眠を取り、その後に新天体をふたつ撮影。最後に南中を迎えた下弦過ぎの月を眺めました。薄明時はもうベガが高くなり始めていました。
左は24日5:20過ぎの撮影で、太陽黄経差は約279.94°、撮影高度は約46.17°、月齢は22.59。明日はスピカ掩蔽があるので、望遠鏡の設置位置などを細かく確認。障害物や街灯が多い方向で、悩みます。
今朝の月はシーイングガタガタでしたが、なるべく丁寧に仕上げました。flが1500mm程度の望遠鏡ながら、この時期にしては細かいところまで写っています。欠け際にたくさんのリッジがあって楽しい。直線壁が糸のように細く光っています。途中が一ヶ所途切れていますが、バート・クレーターの影がここまで伸びてるんですね。
プラトーやエラトステネスのクレーター内は真っ暗。ピコ山が良く光っています。北部のムーシェからフィロラオスGに向かうゴツゴツした谷のような地形が迫力満点。
明日のスピカ掩蔽は、東京付近でラッセルやエディントンの近くに潜入します。観察地によって大きく異なるので、こういう現象こそ多元中継が面白そうですね。北海道道南では12月13日記事に書いた通り接食掩蔽(グレージング)になります。天気が不安定ですが、お近くの方は見えるといいですね。
薄明までに撮影した天体のうちひとつは、10日6時ごろ山形県の板垣公一さんがNGC5945に発見した超新星SN2024aduf。諸般の事情で撮影するまでに時間が経ってしまいましたが、まだしっかり輝いていました(下A画像)。これはType1aだそうです。もうひとつ、23日4:30過ぎに静岡県の西村栄男さんと金子静夫さんがりゅう座に12.4等の突発天体を発見した(TCP J15094534+5651488)とのことで、該当位置を撮ってみました(下B画像)。12-13等の星は見当たらず、報告位置に元々あった暗い星が写ったのみ。一時的な増光だったのでしょうか?
左は24日5:20過ぎの撮影で、太陽黄経差は約279.94°、撮影高度は約46.17°、月齢は22.59。明日はスピカ掩蔽があるので、望遠鏡の設置位置などを細かく確認。障害物や街灯が多い方向で、悩みます。
今朝の月はシーイングガタガタでしたが、なるべく丁寧に仕上げました。flが1500mm程度の望遠鏡ながら、この時期にしては細かいところまで写っています。欠け際にたくさんのリッジがあって楽しい。直線壁が糸のように細く光っています。途中が一ヶ所途切れていますが、バート・クレーターの影がここまで伸びてるんですね。
プラトーやエラトステネスのクレーター内は真っ暗。ピコ山が良く光っています。北部のムーシェからフィロラオスGに向かうゴツゴツした谷のような地形が迫力満点。
明日のスピカ掩蔽は、東京付近でラッセルやエディントンの近くに潜入します。観察地によって大きく異なるので、こういう現象こそ多元中継が面白そうですね。北海道道南では12月13日記事に書いた通り接食掩蔽(グレージング)になります。天気が不安定ですが、お近くの方は見えるといいですね。
薄明までに撮影した天体のうちひとつは、10日6時ごろ山形県の板垣公一さんがNGC5945に発見した超新星SN2024aduf。諸般の事情で撮影するまでに時間が経ってしまいましたが、まだしっかり輝いていました(下A画像)。これはType1aだそうです。もうひとつ、23日4:30過ぎに静岡県の西村栄男さんと金子静夫さんがりゅう座に12.4等の突発天体を発見した(TCP J15094534+5651488)とのことで、該当位置を撮ってみました(下B画像)。12-13等の星は見当たらず、報告位置に元々あった暗い星が写ったのみ。一時的な増光だったのでしょうか?