雲間の目玉やネックレス ― 2024/02/19
昨夜は月面で色々見たいものがあったのですが、午後から天気が下り始め、日が傾く頃は雲ばかりでした。予報も芳しくなかったため半ば諦めていたのですが、日没後にベランダへ出ると頭上に大きな晴れ間が。驚くやら嬉しいやら、慌てて望遠鏡を出しました。
いつ曇るか予想が付かないため、とにかくどんどん見てまわりました。まず目に留まったのはクラヴィウス・アイ。目玉(メガネ?)の周囲地形がもう明るくなり始めていましたが、見た目には二つの目が光って十分面白い光景です。ティコの中央丘山頂が光り始めています。ミラーの中央丘の小さなX字型が目立ちますね。モレトスの中央丘も長針のような影を伸ばしていますよ。
中央の入江から熱の入江にかけても谷やリッジが姿を見せ始めました(右下画像)。絡んだ糸のようなトリスネッカー谷が美しい…。グルイテュイゼンの月面都市もとてもよく見えています。このあたりはかなり入り組んだアルベドで、白黒カメラで撮っても色を感じるような複雑な模様を炙り出すことができるでしょう。朝を迎えつつあるスタディウスの細々とした形が浮かび上がっています。アンペール山の二つ星はひと晩前に姿を現していたはずで、昨夜はもうアペニン山脈の大部分が明るくなっていました。
南の海付近の秤動が次第に良くなっており、随分奥まで見えました(下A画像)。「月世界への招待」サイトの東田さんが「シュレディンガー谷の近くまで見えることがある」とおっしゃっていたので、どこまで見えるか地形を同定してみました(下B画像/A画像の左下角付近をトリミング)。
地球から絶対に見えないシュレディンガー・クレーターの東へ伸びるシュレディンガー谷は結構太くて長い地形で、B画像のリムぎりぎりに見えるシコルスキーQに接しつつモールトンとモールトンHの間あたりまで続いています。昨夜のシーイングと秤動では見えるような、見えないような…。
ブサンゴの下、リッテンハウスはシュレディンガーのクレーター壁から地球側へ向かう山脈の最も奥にあるため、リッテンハウスの縁に立てば眼下に広がる巨大なシュレディンガーを拝めるでしょう。自分の眼で一生見ることのない月面裏側への夢が膨らみますね。向こう二、三日は良い秤動ですから、晴れ間がある地方のみなさんは挑戦してみてください。
夜半が近づくと共にまた雲が増え出しました。ちょうど日付が変わる前後に「フラマウロの真珠のネックレス」と「ヘシオドスRay」が見える予報だったので、祈りつつ低くなった月の観察を続けました。
ちょうど日付が19日になったとき雲間をかいくぐって撮影したのが左画像。フラマウロのネックレスはオレンジ線の内側にポツポツと見え始めています。またヘシオドスRayは青矢印のところにはっきり見えますね。ネックレスはもう少し待てば綺麗に見えたのでしょうが、何しろ雲間がほとんど無くなってしまい、大気の揺れも激しかったため、これが限界。まぁ、すぐ下にあるボンプランのネックレスも見えたことだし、予想外の晴れ間に感謝するとしましょう。
ことあとは完全にベタ曇りとなって回復しませんでした。2月の真夜中はいつも気温一桁前半あるいはマイナスなのに、昨夜は10度もあって妙な感覚になりました。
いつ曇るか予想が付かないため、とにかくどんどん見てまわりました。まず目に留まったのはクラヴィウス・アイ。目玉(メガネ?)の周囲地形がもう明るくなり始めていましたが、見た目には二つの目が光って十分面白い光景です。ティコの中央丘山頂が光り始めています。ミラーの中央丘の小さなX字型が目立ちますね。モレトスの中央丘も長針のような影を伸ばしていますよ。
中央の入江から熱の入江にかけても谷やリッジが姿を見せ始めました(右下画像)。絡んだ糸のようなトリスネッカー谷が美しい…。グルイテュイゼンの月面都市もとてもよく見えています。このあたりはかなり入り組んだアルベドで、白黒カメラで撮っても色を感じるような複雑な模様を炙り出すことができるでしょう。朝を迎えつつあるスタディウスの細々とした形が浮かび上がっています。アンペール山の二つ星はひと晩前に姿を現していたはずで、昨夜はもうアペニン山脈の大部分が明るくなっていました。
南の海付近の秤動が次第に良くなっており、随分奥まで見えました(下A画像)。「月世界への招待」サイトの東田さんが「シュレディンガー谷の近くまで見えることがある」とおっしゃっていたので、どこまで見えるか地形を同定してみました(下B画像/A画像の左下角付近をトリミング)。
地球から絶対に見えないシュレディンガー・クレーターの東へ伸びるシュレディンガー谷は結構太くて長い地形で、B画像のリムぎりぎりに見えるシコルスキーQに接しつつモールトンとモールトンHの間あたりまで続いています。昨夜のシーイングと秤動では見えるような、見えないような…。
ブサンゴの下、リッテンハウスはシュレディンガーのクレーター壁から地球側へ向かう山脈の最も奥にあるため、リッテンハウスの縁に立てば眼下に広がる巨大なシュレディンガーを拝めるでしょう。自分の眼で一生見ることのない月面裏側への夢が膨らみますね。向こう二、三日は良い秤動ですから、晴れ間がある地方のみなさんは挑戦してみてください。
夜半が近づくと共にまた雲が増え出しました。ちょうど日付が変わる前後に「フラマウロの真珠のネックレス」と「ヘシオドスRay」が見える予報だったので、祈りつつ低くなった月の観察を続けました。
ちょうど日付が19日になったとき雲間をかいくぐって撮影したのが左画像。フラマウロのネックレスはオレンジ線の内側にポツポツと見え始めています。またヘシオドスRayは青矢印のところにはっきり見えますね。ネックレスはもう少し待てば綺麗に見えたのでしょうが、何しろ雲間がほとんど無くなってしまい、大気の揺れも激しかったため、これが限界。まぁ、すぐ下にあるボンプランのネックレスも見えたことだし、予想外の晴れ間に感謝するとしましょう。
ことあとは完全にベタ曇りとなって回復しませんでした。2月の真夜中はいつも気温一桁前半あるいはマイナスなのに、昨夜は10度もあって妙な感覚になりました。