欠け際がキリルス近くに届く2024/01/17

20240116_06669月
昨夕は日没後も5m/s前後の風が残り、望遠鏡を月に向けるのが躊躇われました。シーイングはここ三日間で一番悪かったですが、ある程度の高度に助けられ何とか写し取ることができました。拡大撮影も試みましたが像が暴れ過ぎていたため止めました。

左画像は16日17:50頃の撮影で、太陽黄経差は約66.69°、撮影高度は約46.13°、月齢は4.87。どんどん満ちてきて面白いですね。小型月着陸実証機SLIMがこの月を周回しているかと思うとワクワクします。豊かの海と神酒の海は夜が明けましたが、静かの海はまだ半分が夜。これだけシーイングが悪いのに、どうにかコーシー断崖やコーシー谷が写っています。17日宵はラモントが見ごろでしょう。

SLIM着陸予定のキリルスは画像の赤点丸で示したところ。すぐ上のテオフィルスはクレーター縁の一部が輝き始めましたが、キリルスはまだのようです。17日宵にはいよいよ見え出します。観察する方はぜひ位置を覚えてください。ピッコロミニから北西に向かってアルタイ断崖が伸び始めました。

フラカストリウスからジャンセンに向かう谷(断崖?)構造が目立っていました。いくつか資料を調べましたが名前は無いようです。レイタ谷とほぼ平行なので似たような起源かも知れません。神酒の海西側の山脈も目立ちました。「月世界への招待」サイト・神酒の海の項で東田さんが言及されていますが、とても低い山脈のようです。測ってみると、東側の平地との標高差は概ね500m、西側との差は概ね150m。スミルノフ尾根など目立つリッジが数百m以下なので、それより少し高いくらいです。昨夕のように欠け際に来なければ見えませんね。

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