最接近まで残り10日! ― 2022/11/20
火星が地球に最接近するまで残り10日となりました。大接近ではないためあまり話題にならないようですが、火星を観察する貴重な機会。ワクワクします。
昨夜は雲が多かったので星の観察は最初から諦めていましたが、ふと夜中に起きてみると意外に晴れてる!可能なら一晩でも多く火星を見ておきたいので、急きょ望遠鏡を組み上げました。ところがマーフィーの法則でしょうか、準備できた途端雲が…。望遠鏡を外気に慣らす時間も取れないまま急いで撮影を始めましたが、予定の半分撮影を終えた段階で完全に雲だらけになりました。撮影できたフレームも半数以上は雲で減光しています。
急に雨が降るほどの変化ではなく、再び晴れ間が来そうな根拠の無い予感があったので、しばらくそのまま待機状態にしておきました。すると1時間ほど経ったら数十分持ちそうな晴れ間がやって来てくれました。無事撮影できたカットが左上画像です。北極の雲が羽毛布団のように厚いですね。雪を被ってるのかも…。南極側にも雲らしき白いモヤが見えました。画像処理パラメーターをちょっと変えただけで消えてしまうので、本当に難しい…。
2年あまりの周期で地球に接近する火星ですが、大接近は必ず火星の近日点近くで起こるためやぎ座やみずがめ座の方向に集中し、必然的に天の赤道より南側だから南中高度は低くなります。対して今回のような中接近は赤道より北で起こりますから、南中高度もかなり高くなります。下に2020年7月6日記事の図を再掲しました。これを見ると一目瞭然ですね。今回や次回の接近は小さいけれど天頂近くで観察できて、大気の揺らぎや低空のモヤの影響が軽減されるメリットが大きいのです。
簡易的ながら、最接近前後の諸元を計算してみました。視直径は火星の距離と密接な関係があり、接近と共に一番大きく見えます(下A画像)。いっぽう輝面比は位相角と密接に関係し、「光ってない部分の面積」が極小を迎えるのは12月8日のようです(下B画像)。太陽・地球・火星がほぼ一直線になる日ですね。最接近日に一直線になってくれると明るく大きい火星を見ることができますが、今回は一週間あまりズレるようです。といっても微々たる差ですけどね。願わくば良い空に恵まれんことを!
昨夜は雲が多かったので星の観察は最初から諦めていましたが、ふと夜中に起きてみると意外に晴れてる!可能なら一晩でも多く火星を見ておきたいので、急きょ望遠鏡を組み上げました。ところがマーフィーの法則でしょうか、準備できた途端雲が…。望遠鏡を外気に慣らす時間も取れないまま急いで撮影を始めましたが、予定の半分撮影を終えた段階で完全に雲だらけになりました。撮影できたフレームも半数以上は雲で減光しています。
急に雨が降るほどの変化ではなく、再び晴れ間が来そうな根拠の無い予感があったので、しばらくそのまま待機状態にしておきました。すると1時間ほど経ったら数十分持ちそうな晴れ間がやって来てくれました。無事撮影できたカットが左上画像です。北極の雲が羽毛布団のように厚いですね。雪を被ってるのかも…。南極側にも雲らしき白いモヤが見えました。画像処理パラメーターをちょっと変えただけで消えてしまうので、本当に難しい…。
2年あまりの周期で地球に接近する火星ですが、大接近は必ず火星の近日点近くで起こるためやぎ座やみずがめ座の方向に集中し、必然的に天の赤道より南側だから南中高度は低くなります。対して今回のような中接近は赤道より北で起こりますから、南中高度もかなり高くなります。下に2020年7月6日記事の図を再掲しました。これを見ると一目瞭然ですね。今回や次回の接近は小さいけれど天頂近くで観察できて、大気の揺らぎや低空のモヤの影響が軽減されるメリットが大きいのです。
簡易的ながら、最接近前後の諸元を計算してみました。視直径は火星の距離と密接な関係があり、接近と共に一番大きく見えます(下A画像)。いっぽう輝面比は位相角と密接に関係し、「光ってない部分の面積」が極小を迎えるのは12月8日のようです(下B画像)。太陽・地球・火星がほぼ一直線になる日ですね。最接近日に一直線になってくれると明るく大きい火星を見ることができますが、今回は一週間あまりズレるようです。といっても微々たる差ですけどね。願わくば良い空に恵まれんことを!
※極値の日時は採用する暦表などにより若干の差があります。このグラフはJPL-DE440を使用し、JPL-HORIZONSサイトと同等の値ですが、国立天文台の暦計算室などの計算結果とは少し異なります。