久しぶりの突発天体と大赤斑経度のこと2022/10/02

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群馬県の小嶋正さんが9月30日19:30ごろ、カシオペア座に12.0等の突発天体を発見したとのこと。久しぶりの国内発見、昨夜タイミング良く晴れたため、望遠鏡を向けました。

我が家の環境はとりわけ週末の深夜までは交通が絶えないため、可能なら天体観察&撮影は極力深夜以降にしています。今回もカシオペア座なので南中以降でも良かったのですが、深夜前の木星大赤斑を見ておきたかったため、リスクを承知で20時過ぎから撮影決行。何度かヘッドライトの洗礼を浴びつつも写すことができました(左画像)。

対象が明るいため白飛びしないよう露出設定したのに、空全体が霞んでいたこともあり少し飛んでしまいました。青白っぽい星のようです。NGC7789のすぐ南、とても見やすい位置ですからぜひご覧になってください。

【10/04追記】星仲間の(の)さんによりますと、この天体の第一発見者は小嶋正さん(19:28発見)ですが、先に報告したのは板垣公一さん(発見は19:39)なのだそうです。現在のルールでは第一報告者が発見者扱いになるため、今回は板垣さんが発見した天体、小嶋さんは独立発見者のひとり、(実は中村祐二さんも19:38に独立発見)ということになりそうです。うーむ、接戦ですなぁ。しかもみんな日本の方々。

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小嶋さんの天体を撮影中にTOCPを確認していたら、三重県の中村祐二さんが9月30日23時過ぎ、うお座に15.3等の突発天体を発見したとの情報があったので、こちらも望遠鏡を向けました。(大赤斑の観察話はどこへ…?)

この天体はATLASが29日15:27JSTに発見したAT2022wgv(発見時19.392等)の可能性が高いとのこと。もしそうなら急増光ですね。天下のATLAS掃天システムと生身で渡り合うって凄いことです。まだ分光されていない様ですから続報が待たれます。

20221001木星
続いてすぐ木星を観察。ちょうど10月1日23時ごろ南中少し前に大赤斑が正面に来そうだと言うことで、待ちかまえました。予定時刻20分ほど前に望遠鏡で確認するとまだ時間がかかりそうでしたが、家事に戻って正面を撮り逃がすことがないよう、今回はじっと我慢。(皿洗いは予め済ませました…笑)

23時を中心にプラスマイナス10分ほど眺めました。かなりシーイングが悪くて分かり辛かったけれど、大赤斑の中央子午線通過を確認できました。真正面の写真を撮りたいという動機もありましたが、それよりも大赤斑の経度がどのあたりか確認したかったのです。計算では23:00の中央経度は25.7°あたり(体系2)。この画像で大赤斑は中央よりほんの少し右寄りで、撮影した中で大赤斑が一番中央に近かったのは22:59過ぎ(中央時刻)、体系2経度は25.21°でした。

不規則に移動してしまう大赤斑を天文シミュレーションソフトで正確に再現するのは難しく、大抵は過去の緯度データを内部に保管しつつ将来を近似計算したり、ユーザーが外部指定することで補正できるようにしてるようです。ステラナビゲーターでは比較的分かりやすい場所にこのデータが隠し置きされてるので、PC操作に慣れた方なら自力で修正できるでしょう(自己責任で!)。また以前のStellariumでは大赤斑経度の内部設定があるにはあったのですが、かなり分かりにくいものでした。現在のバージョンは起動後のメニューで入力できるようになってます。

ところが、この入力値と実際に表示される映像が少し違っており、どうにももどかしい思いです。私が使っているのはv.0.22.2(mac版最新/※本日公開のv.1.0も同じ挙動)ですが、試しに上述測定値を入力しても数度ほどズレてしまうのです。原因はいくつか考えられますが、いずれにしてもせっかく補正できる機能が付いたのにもったいないですね。上述値はJUPOSプロジェクトのグラフの線上から外れていないようなので、測定そのものが間違ってることは無さそうです。まぁそんなこともあって、一度自分で大赤斑経度をしっかり測っておこうと思ったのがそもそものきっかけでした。

今日の太陽2022/10/02

20221002太陽
昨夜から今朝は透明度の落ちた晴れ間が続いた後、明け方前に雲が出ました。明け方の冷え込みが少しずつ強まってるのが分かり、結露にも悩まされます。今日朝からは回復し、良いお天気。

20221002太陽リム
左は10時前の太陽。左上、活動領域13112の全容が見えてきましたね。かなり活発そう。ですが今日はそれよりも中央右上のプラージュが明るい13110・13113に注目です。撮影時にもかなり明るかったのですが、約2時間20分後の11:22JSTをピークとするM7.91クラスの強いフレアが発生しました。あぁ、見たかった!日本で日の出前であった5:10JSTにも同じ場所でM5.86クラスフレアが発生しています。

下は太陽観測衛星SDOおよびSOHOの映像。A→B→Cの順に時系列で見ると、フレアに伴う爆発(水色点線)が急速に遠方へ届いたことが分かるでしょう。地球に向いてる面ですから磁気嵐による無線の乱れが心配されます。

南半球のダークフィラメントが相変わらず活発。右下プラージュも1、2日でリムに到達しそうですね。

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    A.SDO-AIA131
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    B.SDO-AIA171
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    C.SOHO-LASCO-C2