月食二日前の月2021/11/18

20211117_16041月
月食二日前になりました。左は昨夜23時前の月。太陽黄経差は約160.41°、撮影高度は約62.8°、月齢12.69です。これくらい満月に近くなると、蜘蛛の巣のようにあちこち広がった光条がよく光りだして美しいです。

明暗境界がグリマルディ・クレーターにかかっており、もう一日あまりで月面A地形に到達します。リュンカー山が明瞭に見えるにとどまらず、その南にあるナウマン・クレーターを横切る緩やかな丘まではっきり見えますね。(クレーター名のナウマンは、ナウマン象を発見したナウマンさんとは違いますが、同じ地質学者です。)

20211119国際宇宙ステーションの月食面通過
さて月食直前ですが、ISS TRANSIT FINDERで調べたところ「月食中の月面を国際宇宙ステーションが横切る」というレアイベントが起こりそうなのでお知らせします。時刻は17:14ごろ、場所は右地図の通り岩手県宮古市・山形県新庄市・新潟県佐渡市・能登半島北部・島根県松江市や出雲市の北海岸寄りあたりを結ぶライン。ただし今日時点での予報のため、明日直前にもう一度ご確認ください。(※ラインは刻々とずれます。)これは直前まで見えていた国際宇宙ステーションが地球の影に隠れ、そのままシルエットとして月面通過する現象になります。月食が起きているのですから、観察者・ISS・月の方向に太陽光が届いてないのは当たり前なのですね。お近くの方は狙ってみてください。月面通過が起きない他地域でも「ISSが飛んできて月食近くで消える」という光景が見えるでしょう。「あ、月食を起こす地球影に入ったんだな!」と分かる見事な現象ですからお見逃し無く。

20211118チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)
月撮影後も透明度が良かったので、夜半すぎから彗星を狙いました。右画像はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)。満月期の空だから背景が明るすぎて補正しきれていませんが、長く伸びる尾や大きなコマがよく見えています。コマが偏っているように感じるのは気のせい???

このあと明け方のレナード彗星(C/2021 A1)まで撮影したかったけれど、67P撮影終了ころから次第に雲が空を覆ってしまいました。残念…。18日は少しだけ天気が悪いようです。

今日の太陽とハロ現象2021/11/18

20211118太陽
今日未明から薄曇りが続き、朝は朧な太陽でした。少し高くなると雲が薄くなる時間があり、太陽観察ができました。

20211118太陽リム
左は9:40頃の撮影。活動領域12894と12895は右リムぎりぎり。左半球には黒点を伴う12896と、やっと採番された北半球の12897が見えます。ここ数日左下を賑わせたプロミネンスは光球内に入ってきましたね。右上のプロミネンスはまだ残っていて半分ループを見せています。

雲が減ったり増えたりする中で、久しぶりに上部タンジェントアークと上部ラテラルアークのペアが見えていました(下A・B画像)。内暈ははっきりしません。しばらくするとラテラルアークは消え、タンジェントアークのみになりました(下C画像)。

【夕方追記】
もやっとした雲は夕方まで続きました。日が傾く頃に目を凝らすと、ごく弱い幻日と太陽下方にのびる太陽柱が見えました(下D・E画像)。E画像で明るく輝いているのは太陽本体ではなく雲+太陽柱です。太陽はまだ雲の中にいます。

  • 20211118アーク

    A.ふたつのアーク
  • 20211118アーク

    B.A画像の強調
  • 20211118アーク

    C.上部タンジェントアーク


  • 20211118夕方のハロ現象

    D.幻日と太陽柱
  • 20211118太陽柱

    E.太陽柱