金星に並ぶ三日月と弦の傾き比較2021/09/11

20210910月と金星の接近(宵)
昨日に日が沈むころ雲は低空に留まっており、接近した三日月と金星が縦並びに美しい姿を見せていました。昼間に撮影したときより月一個ぶんほど離れた印象です。いくつか焦点距離を変えつつ撮影し、月拡大も撮っておこうと最大ズームにした頃から雲行きが怪しくなっていることに気づきました。雲が西から…ではなく南東から押し寄せてきたのです。めったに無い天気変化で驚きました。

結局雲間から5コマ程度しか撮影できませんでしたが、なんとか拡大画像も撮影できたところで月は完全に見えなくなりました。秋の宵空は三日月が見え始める高度も低いですから、低空の天気変化に大きく影響されやすいのです。これは金星でも言えることで、今期の宵の明星は日没時でも最大高度20°ちょっと(本州中緯度計算)ですから、少し暗くなるころにはだいぶ低くなってしまいます(→参考記事)。

ものは試し、半年前に撮影した概ね同じ月齢の月と比較したのが下画像。同じ機材・縮尺で撮影した画像を、月中心にトリミングしたものです。双方ともカメラの水準器を使って水平を出しています(プラスマイナス1°以内の誤差含む)。撮影高度がだいぶ違っているので正しい比較にはなりませんが、ご覧の通り、月の大きさや弦の傾きが違うことが分かりますね(→参考記事)。※ちなみに3月17日に9月10日の撮影高度と同じになるまで待って撮ったとしても、弦の傾きは0.36°程度しか減りません。

この傾斜角は年変動を繰り返しつつ長期変動で変化幅が大きくなったり小さくなったりして、2025年頃から9年間ほど、春の細い月が傾斜10°を下回る「水平月」に見える時期がやってきます。月齢4以下かつ市民薄暮以降に限れば、秋の細い月も70°を越す急傾斜(本州中緯度計算)になりますよ。今は「有明の水平月」しか見えませんが、「早起きは絶対ムリ!」という方々は4年後の春までお待ちくださいね。なお、三日月や有明月の弦傾斜変化や、同じ月相でも高度差のため見易さ/見辛さが生じるのは、黄道光の見易さ/見辛さの仕組みとだいたい同じです。2017年10月14日記事なども参考にしてください。

  • 20210317月

    2021年3月17日宵の月
    地心月太陽離角:44.34°
    月齢:3.97・撮影高度:29.35°
    地心視直径:29.49′・測心弦傾斜:19.70°
  • 20210910月

    2021年9月10日宵の月
    地心月太陽離角:44.14°
    月齢:3.36・撮影高度:16.54°
    地心視直径:32.38′・測心弦傾斜:60.78°