2019年で最も日の出が早いシーズンです2019/06/07

ホタル乱舞
ホタルのニュースが飛び交う頃になると、「あぁ、夜が短くなったんだな」と感じます。気温が上がり蒸してこないと成虫のホタルは舞いませんが、気温が上がるためには長い日照が必要。光を放って夜に生命活動を行うホタルは夜時間が長い秋や冬のほうが都合良いだろうに、なんでわざわざいちばん暗闇が短いシーズンを選んじゃったかなぁ…このトレードオフは体温調整がきかない食物連鎖群にとって究極の選択だったかもしれませんね。

【日出最早日と日出時刻・2019年調べ】
日本最南端(東京都・沖ノ鳥島)6月 7日(金)05:15
日本最東端(東京都・南鳥島)6月 9日(日)03:55
沖縄県(石垣市)6月 9日(日)05:54
日本最西端(沖縄県・与那国島)6月 9日(日)05:59
東京都(小笠原村)6月10日(月)04:36
沖縄県(那覇市)6月10日(月)05:36
鹿児島県(奄美市)6月11日(火)05:23
宮崎県(宮崎市)6月12日(水)05:07
鹿児島県(鹿児島市)6月12日(水)05:12
神奈川県(横浜市)6月13日(木)04:25
東京都(八丈町)6月13日(木)04:30
静岡県(静岡市)6月13日(木)04:31
愛知県(名古屋市)6月13日(木)04:37
岐阜県(岐阜市)6月13日(木)04:37
三重県(津市)6月13日(木)04:39
滋賀県(大津市)6月13日(木)04:40
京都府(京都市)6月13日(木)04:41
奈良県(奈良市)6月13日(木)04:41
大阪府(大阪市)6月13日(木)04:43
兵庫県(神戸市)6月13日(木)04:44
和歌山県(和歌山市)6月13日(木)04:46
鳥取県(鳥取市)6月13日(木)04:47
徳島県(徳島市)6月13日(木)04:49
岡山県(岡山市)6月13日(木)04:50
香川県(高松市)6月13日(木)04:51
島根県(松江市)6月13日(木)04:52
高知県(高知市)6月13日(木)04:55
広島県(広島市)6月13日(木)04:57
愛媛県(松山市)6月13日(木)04:57
山口県(山口市)6月13日(木)05:00
大分県(大分市)6月13日(木)05:03
福岡県(福岡市)6月13日(木)05:07
熊本県(熊本市)6月13日(木)05:07
佐賀県(佐賀市)6月13日(木)05:08
長崎県(長崎市)6月13日(木)05:11
宮城県(仙台市)6月14日(金)04:11
山形県(山形市)6月14日(金)04:12
福島県(福島市)6月14日(金)04:14
富士山山頂6月14日(金)04:17
茨城県(水戸市)6月14日(金)04:19
栃木県(宇都宮市)6月14日(金)04:19
茨城県(つくば市)6月14日(金)04:21
新潟県(新潟市)6月14日(金)04:21
群馬県(前橋市)6月14日(金)04:23
千葉県(千葉市)6月14日(金)04:23
東京都(新宿区)6月14日(金)04:23
埼玉県(さいたま市)6月14日(金)04:24
長野県(長野市)6月14日(金)04:24
東京都(日本経緯度原点)6月14日(金)04:25
山梨県(甲府市)6月14日(金)04:26
富山県(富山市)6月14日(金)04:31
石川県(金沢市)6月14日(金)04:34
福井県(福井市)6月14日(金)04:37
北海道(函館市)6月15日(土)04:01
青森県(青森市)6月15日(土)04:04
岩手県(盛岡市)6月15日(土)04:04
秋田県(秋田市)6月15日(土)04:10
日本最北端(北海道・択捉島)6月16日(日)03:15
北海道(根室市)6月16日(日)03:35
北海道(稚内市)6月16日(日)03:43
北海道(札幌市)6月16日(日)03:54

自分が住む県から遠く離れた何ヶ所かの地でホタルの仲間を観察してきました。経験値は少ないからたいしたこと言えませんが、同じ国内の昆虫なのに時期のずれを感じます。ホタルもたくさんの種類があって活動時期のピークは微妙にずれるけれど、そういう平均値の話ではなく、同じ田んぼに発生するホタルでも年によって飛び交う時期が違うし、日によっても気温・湿度・風速などの上下で時間帯や活動個体数のズレがあります。季節や気象条件を上手に感じ取ってるなぁって話です。

ゲンジボタル
夏至に近いころ起こる「最短の夜」は、「日の出がもっとも早くなること」と「日の入りがもっとも遅くなること」を掛け合わせた結果です。夏至前に日出最早、夏至後に日没最遅がやってきますが、右表のようにどちらも一週間あまりで日本を駆け抜け、冬至前後の夜時間変化に比べて2分の1程度。つまり「最短夜と感じる期間は最長夜と感じる期間よりも短い」ので、これを一年の流れの中で見出すのは相当な練度が必要そうです。アサガオなど短日植物は夜が長くなり始める時期を感じ取って開花を始めるそうで、一般に夏至より前は咲かないことが知られています。昆虫が持つ昼夜センサーも似たような特徴なのでしょうか?もしホタルたちが「夏至の前か後か」を知って活動時期を決めているのだとしたら、ものすごい能力ですね。

アサガオ
左下画像は2月に撮ったものですが、雪が舞う様な寒い時期に開花する梅のまわりに、もう蜜を求める多様なハチ類が飛んでました。ハチは越冬できる昆虫だけど寒いのにエネルギーを無駄遣いしないでしょうから、当てずっぽうで花を探すのではなく、早春の開花期が分かっているのでしょう。動植物の季節感は本当に驚かされますね。日本では夏至のころに梅雨空がかぶってしまうため、私たちは昼夜の微妙な差を空の明るさだけでは感じ取れないかも知れません。とは言え、それは草花や虫たちだって同じ立場。カレンダーや時計を頼らないと季節や時間すらピンと来ない人間と違って、小さきものたちは「素」で時の移ろいを敏感に推し量り、懸命に明日へと命をつなぎます。いつもこの姿に感服し尊敬してしまうのです。

2月でも飛び回るミツバチ
ホタルとは全く関係ないのですが、私が以前常用していた天体観測地はホタルミミズがたくさんいました。この生命体は寒い冬によく姿を現し、望遠鏡設置のために地面を歩くたび点々と光ります。外からの刺激によってのみ光るため、生殖行動には関係ないでしょう(そもそも単為生殖らしい)。だから、夜が長い時期に活動することと光ることとの関係性は薄いと思われます。冬に活動する理由は他にあるのでしょう。色々な生物がいて面白いですね。

本日6月7日、今年の日本国内での「日出最早日」縦断が始まりました。右表を地図化すると下図のようになります。ただし地図では標高の影響を考慮していません。それぞれの日以降は日の出が遅くなり始めるでしょう。(※右表および下図は日の出が早い順ではありませんのでご注意。)なお、奇しくも東海・関東甲信・北陸・東北南部の梅雨入りが本日発表されました(速報値)。今日時点で梅雨入りしてないのは九州北部・四国・中国・近畿・東北北部です。

2019年日出最早日マップ


参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)