9月下旬に発見されたクロイツ群のアトラス彗星（C/2024 S1）が予測通り26日21時JSTごろ太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラ写野に入ってきました（左画像）。弱々しく感じますが、第一印象は6月末に太陽接近した同属SOHO彗星の見え始めより明るく、尾もしっかりしてます。 左画像は今朝27日5:30JSTの様子（※画像内の日時はUT表記）。崩壊の噂もありますが、今後数日間どこまで堪えてくれるでしょうか。

…とその前に、太陽周囲がカラスウリの花みたいになってますね。彗星が写野に入る約5時間前、7:16UT（26日16:16JST）をピークとするX1.86クラスフレアが発生したばかり。場所は太陽南東に現れた巨大黒点群のある活動領域13869です。gif動画を作ったので下Ａ画像として掲載します。（※最後のひとコマに彗星が顔を出してます。）

二日前の24日3:57UTにもX3.33クラスの強いフレアが起きており、危険な場所として現在地球正面を通過中。各フレアとも高いエネルギー状態が数時間続きました。万が一にも地球正面で吹き出したら電子機器に悪影響が出そう…。オーロラが見えるくらいで済めばいいんですけれど。彗星に当たっていたら、それだけで崩壊しちゃってたかも知れませんね。ちょっと見てみたかった気もする…。

さて、アトラス彗星は地球軌道の南側・手前側から太陽に近づいており、壊れなければ28日12:00UTごろ見かけ上もっとも太陽に接近します。下Ｂ図はSOHO・LASCO-C2カメラ写野の通過予測。無事通過したら再び明け方低空の彗星に戻ります。生き残っても夕方には見えませんからご注意。

あとはもうどこまで持ちこたえるかって話ですね。ふつうクロイツ群彗星は太陽に近づくほど急激に明るくなりますが、この彗星はSOHO-C3写野に現れたときからの変化が緩やかな気がしました（下Ｃ画像／26日21時から27日19時JSTまで）。まだ分かりませんが太陽最接近前に完全消滅の可能性も大きい…。生暖かく見守りましょう。