2024年の台風19号が発生 ― 2024/10/09
気象庁によると日本の南東にあった熱帯低気圧が本日15時に台風19号「バリジャット/BARIJAT」になりました。直前の台風18号発生から11日と6時間後の発生、18号消滅から5日と6時間後の発生になりました。
左は19号発生時である本日15:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は台風中心の直径1000km円。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。
だいぶ離れているとは言え、この台風が遠因と思われる風が秋雨前線を刺激し、東日本で雨が続いています。また前線に沿って北東の風が流れ込み、本日の当地では最高気温が16.8度という寒さ。数日前に30度を越していたとは思えません。台風はこのまま北上を付ける見込みのようで、本土に直接影響は無さそうです。
今日もXクラスフレア ― 2024/10/09
昨日に続き、本日9日も10:55JSTをピークとするX1.84クラスフレアが発生しました。場所は中央子午線に達した肉眼黒点を有する活動領域13848です。地球正面で発生したため、何らかの影響があるものと思います。
太陽観測衛星SOHOの画像を見ると久しぶりにSnowStormが舞っていました(左画像)。もはや恒星がどれなのか分からないほどですが、前後の移動を頼りに特定してみました。写野左にスピカが入ってきています。
紫金山・ATLAS彗星(C/2023 A3)は前方散乱を含めた光度計算値のピークが10:00UT少し前なので、左画像がほぼMAX状態と考えられます。太陽を軒下などでうまく隠すと写真が撮れるほどだそうですが、不慣れな方は撮影も眼視も絶対にしないでください。“眼球(めだま)焼き”じゃ済まなくなります。太陽そのものはもちろん、明るい空を見ただけでも目を痛めます。※望遠鏡やカメラが直接太陽を向いていなくても、レンズ面が日光に少しでもさらされた状態での撮影や観察は大変危険です。
太陽近傍の金星や明るい彗星などを撮影するには、光学系に光が届かないように(現実的でないけれど)10メートルクラスのフードを付けるか、撮影例1や、撮影例2のように像面で太陽と天体を振り分ける工夫を凝らした装置が必要です。(この究極の装置で撮影してるNicolas Lefaudeuxさんのサイトはここ。Daylight Astronomyのメニューにこの装置の詳細があります。氏は意図的にピントをぼかして奥行き感を出すTilt-shift astrophotographyの先駆者としても有名。)
右画像は2020年初頭に急増光しつつも崩壊してしまった別のアトラス彗星(C/2019 Y4・2020年4月10日撮影)。核が崩壊して横に伸びています。星仲間の吉田くんによるC/2019 Y4の光度集計などはこちら。これと似たような結果になるのでしょうか?
太陽観測衛星SOHOの画像を見ると久しぶりにSnowStormが舞っていました(左画像)。もはや恒星がどれなのか分からないほどですが、前後の移動を頼りに特定してみました。写野左にスピカが入ってきています。
紫金山・ATLAS彗星(C/2023 A3)は前方散乱を含めた光度計算値のピークが10:00UT少し前なので、左画像がほぼMAX状態と考えられます。太陽を軒下などでうまく隠すと写真が撮れるほどだそうですが、不慣れな方は撮影も眼視も絶対にしないでください。“眼球(めだま)焼き”じゃ済まなくなります。太陽そのものはもちろん、明るい空を見ただけでも目を痛めます。※望遠鏡やカメラが直接太陽を向いていなくても、レンズ面が日光に少しでもさらされた状態での撮影や観察は大変危険です。
太陽近傍の金星や明るい彗星などを撮影するには、光学系に光が届かないように(現実的でないけれど)10メートルクラスのフードを付けるか、撮影例1や、撮影例2のように像面で太陽と天体を振り分ける工夫を凝らした装置が必要です。(この究極の装置で撮影してるNicolas Lefaudeuxさんのサイトはここ。Daylight Astronomyのメニューにこの装置の詳細があります。氏は意図的にピントをぼかして奥行き感を出すTilt-shift astrophotographyの先駆者としても有名。)
【追記1:TA彗星の明るさを見積もる】
多くの方がSOHO内で紫金山・ATLAS彗星の明るさを見積もる研究をしておられるでしょう。高輝度天体から左右に突出したブルーミングの長さが光源の明るさを物語っているので、比較するのもひとつの方法ですね。冒頭画像内の水星はマイナス0.98等です。下A画像は2024年5月24日のSOHO画像で、マイナス3.99等の金星とマイナス1.99等の木星が写っています。また下B画像はマックノート彗星 (C/2006 P1)とTA彗星の比較。ブルーミングの長さがこんなに違うのです。彗星核が見えないため正確な長さは分かりませんが、みなさんは現在のTA彗星を何等だと感じますか?
【追記2:ATLAS彗星(C/2024 S1)は崩壊しつつあるかも】
Atel#16857で報告されていますが、このクロイツ群候補の彗星は核の輝きが失われつつあり、横に伸びたような姿を見せています。まだ断定できませんが、近日点通過を待たずして崩壊に向かっているようです。右画像は2020年初頭に急増光しつつも崩壊してしまった別のアトラス彗星(C/2019 Y4・2020年4月10日撮影)。核が崩壊して横に伸びています。星仲間の吉田くんによるC/2019 Y4の光度集計などはこちら。これと似たような結果になるのでしょうか?