今年の名月は四連コンボを楽しめる! ― 2024/09/07
9月17日夜の月は中秋の名月。また、翌18日は満月。満月瞬時は18日11:34:28のため日本から見えないけれど、18日明け方や夜に真ん丸の月を楽しめるでしょう。特に18日夜22:28:47には月が近地点を通るため、普段よりひとまわり大きな月になります(地心距離:約357282.5km)。
名月は日単位までしか特定しませんから視直径を定めることはできません。でも名月近くで近地点を迎えるケースは少ないかも知れないと思い調べてみました。1900年から2100年まで201回の名月(※2033年問題は無視して10月7日にした)の中で、名月の当日に近地点通過が起こるのは12回でした。
今年は一日差ながら、名月直近の満月視直径を比較すると14位の好成績。近地点と言っても遠近のばらつきがありますから一概には言えないけれど、視直径順に並べると上位はやはり名月と近地点通過日の差が1日以内に収まっています。 上図は名月直近の満月における視直径。遠近を繰り返していることが分かりますね。10年よりも短い周期です。どうしてこうなるのか考えてみてください。
名月→満月→大きな月と立て続けに加え、実はもうひとつ。2024年5月1日記事で触れましたが、19日明け方に西空へ傾いた月が「センタームーン」になります。一連の名月イベントの流れで秤動がゼロに近づいているわけです。
詳しく見ていただくため、右に今月の秤動図を用意しました。赤い線は天文年鑑などに載っている地心秤動図で、これだけ見ても原点に接近する様子が分かりますね。でも実際に見た月の秤動は測心秤動(地上の観測地から見た秤動)で考える必要があります。この図で青線で描かれたほうです。赤線に絡むように複雑な変化を見せることが特徴で、地球自転によって視点が移動することを反映しています。
17日から20日まで、日付ラベルを追加してあります。矢印の先が示す点が各日の0:00JSTで、1日ごとにS字カーブになっています。大雑把に言うとこのS字を四等分すれば、6:00・12:00・18:00の秤動も見当がつくでしょう。
満月瞬時を示す黄色丸は18日0:00JSTと19日0:00JSTの真ん中あたりにあるので、12:00に近いんだなと読み取れますね。前述したように満月瞬時は18日11:34:28ですから合っていますね。
では青線がいちばん原点に近い(=センタームーン)のはいつでしょうか?これも一目瞭然、19日朝です。赤線の地心秤動図で判断したら19日0:00ごろがセンタームーンになってしまうけれど、より正確には朝に月が沈む少し前まで待ったほうが良いことになります。この図は日本経緯度原点での計算だけれど、国内ならだいたい同じです。
左上の地図は今年のパーフェクト・センタームーンマップ・日本付近拡大版。赤線や青線は特定日時(JST)に秤動がゼロになるところです。赤線は満月期を含む上弦から下弦までの月相、つまり見かけの月面中心に光があたっている期間、青線は新月を含む中央が光っていない期間です。光が当たっていれば、見かけの月面中心と真の月面座標原点が一致していることを撮影で確認できます。
19日の様子を示す線は地図右下から中央左寄りに上がっている赤線。日本は線上にありませんが、これくらい離れていても秤動図上では原点に極めて近いところを通ります。西日本ほど地図の19日赤線に近くて有利です。
計算上もっとも日本に近いのは月没後になってしまいますが、それでは楽しめませんから沈む前に眼視や撮影で確認してみてください。真夜中に撮っておいて、明け方との秤動ずれを調べるのも面白いですよ。(左画像は2021年10月24日2:26撮影画像での作例。)中秋の名月から立て続けの月イベント、晴れたらぜひお楽しみくださいませ。
名月は日単位までしか特定しませんから視直径を定めることはできません。でも名月近くで近地点を迎えるケースは少ないかも知れないと思い調べてみました。1900年から2100年まで201回の名月(※2033年問題は無視して10月7日にした)の中で、名月の当日に近地点通過が起こるのは12回でした。
今年は一日差ながら、名月直近の満月視直径を比較すると14位の好成績。近地点と言っても遠近のばらつきがありますから一概には言えないけれど、視直径順に並べると上位はやはり名月と近地点通過日の差が1日以内に収まっています。 上図は名月直近の満月における視直径。遠近を繰り返していることが分かりますね。10年よりも短い周期です。どうしてこうなるのか考えてみてください。
名月→満月→大きな月と立て続けに加え、実はもうひとつ。2024年5月1日記事で触れましたが、19日明け方に西空へ傾いた月が「センタームーン」になります。一連の名月イベントの流れで秤動がゼロに近づいているわけです。
詳しく見ていただくため、右に今月の秤動図を用意しました。赤い線は天文年鑑などに載っている地心秤動図で、これだけ見ても原点に接近する様子が分かりますね。でも実際に見た月の秤動は測心秤動(地上の観測地から見た秤動)で考える必要があります。この図で青線で描かれたほうです。赤線に絡むように複雑な変化を見せることが特徴で、地球自転によって視点が移動することを反映しています。
17日から20日まで、日付ラベルを追加してあります。矢印の先が示す点が各日の0:00JSTで、1日ごとにS字カーブになっています。大雑把に言うとこのS字を四等分すれば、6:00・12:00・18:00の秤動も見当がつくでしょう。
満月瞬時を示す黄色丸は18日0:00JSTと19日0:00JSTの真ん中あたりにあるので、12:00に近いんだなと読み取れますね。前述したように満月瞬時は18日11:34:28ですから合っていますね。
では青線がいちばん原点に近い(=センタームーン)のはいつでしょうか?これも一目瞭然、19日朝です。赤線の地心秤動図で判断したら19日0:00ごろがセンタームーンになってしまうけれど、より正確には朝に月が沈む少し前まで待ったほうが良いことになります。この図は日本経緯度原点での計算だけれど、国内ならだいたい同じです。
左上の地図は今年のパーフェクト・センタームーンマップ・日本付近拡大版。赤線や青線は特定日時(JST)に秤動がゼロになるところです。赤線は満月期を含む上弦から下弦までの月相、つまり見かけの月面中心に光があたっている期間、青線は新月を含む中央が光っていない期間です。光が当たっていれば、見かけの月面中心と真の月面座標原点が一致していることを撮影で確認できます。
19日の様子を示す線は地図右下から中央左寄りに上がっている赤線。日本は線上にありませんが、これくらい離れていても秤動図上では原点に極めて近いところを通ります。西日本ほど地図の19日赤線に近くて有利です。
計算上もっとも日本に近いのは月没後になってしまいますが、それでは楽しめませんから沈む前に眼視や撮影で確認してみてください。真夜中に撮っておいて、明け方との秤動ずれを調べるのも面白いですよ。(左画像は2021年10月24日2:26撮影画像での作例。)中秋の名月から立て続けの月イベント、晴れたらぜひお楽しみくださいませ。