2024年の台風7号が発生2024/08/13


20240813-0300JST台風5・6・7号
気象庁によると昨日9時から台風になるかも知れないと予報が出ていた熱帯低気圧が本日13日3時に台風7号「アンピル/AMPIL」になりました。直前の台風6号発生から1日と9時間後の発生で、5号・6号は活動中のためトリプル台風になりました。

左は7号発生時である本日3:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜のため赤外バンドによる白黒画像です。赤点線円は各台風中心の直径1000km円。一番南が7号、日本海に抜けたのが5号、東が6号。なお7号発生のあとすぐ5号が3時に熱帯低気圧になったと発表されたので、実はトリプルになった時間帯は無く、「5・6号のダブル」から「6・7号のダブル」に切り替わったことになります。

東北地方に大雨をもたらした5号が去ったあと6号が来るかと思われましたが、今のところ北海道側へ向かいつつ弱まるようです。いっぽう7号は小笠原諸島や伊豆諸島に接近、関東や東海にも接近または上陸する恐れが出ているようです。今週末のタイミングですが、天気が崩れてくるのはその前からと思われます。どうか皆さまお気をつけください。

天リフ・ペルセ群配信のメモ2024/08/13

20240812天リフ・ペルセ群配信
昨夜から今朝にかけて概ね晴れ、ペルセウス座流星群を楽しむことができました。我が家の環境はここ5年ほどで光害が一気に悪化して広い空を撮影することは不可能に近いため、早々に撮影記録は諦めました。代わりに夜半からの惑星観察と、肉眼での流星を堪能。加えて、天文リフレクションズさんが山口県秋吉台からYoutube配信すると言うので、観察の合間に拝見しました。観察した惑星は後ほど別記事にするとして、ここでは配信で気付いたことや集計をメモしておきます。

まずは「流星のカウント」。かつて眼視観測が主流だった頃はラムカ枠で視野を区切って寝ころび、ロール紙に手探りで時刻を書く、カセットに飛んだ星座を録音するなど苦労したものですが、今は動画で記録を残せる時代。今回の配信は正確な観測を目的にしたものでは無いと思いますが、それでもしっかり記録に残ってますから活かさないのはもったいない。

一般には流星群のピークが予報され、その時間帯がいちばん多く飛ぶと言われます。一方で放射点高度が流星数に制限をかけます。ピークはあくまで放射点と向きあう位置関係になければ成立せず、低ければそれだけ減ってしまいます。見る方向や機材の選択、撮影方法などによってもカウント数は変化しますが、あまり気にせず「流星が写った時刻」をメモしました。概ね下表のようになります。雲が出た時間はあったけれど、夜半を過ぎてからピークになったような印象を受けます。(※右下図は国際流星機構の2024年資料を基にペルセ群の放射点移動をステラナビゲーターで描いたもの。元データが荒いので独自に補間してあります。)

2024年ペルセウス座流星群・放射点移動
それから、配信していた山口さんが時々音声で言っていた等級と、画面から見た感じの等級に逆転しているイメージを受けたことが何度かありました。これは画像の周辺減光や歪みによる伸縮などが関わってると見られます。フラット補正した動画を配信している訳では無いでしょうから、明るい流星が暗く写る、あるいはその逆の現象が起こりうるのでしょう。人間でも眼の中心で捉えた光と端での光で感じ方が違うような話を聞いたことがあります。網膜の感度分布と言う話だけではなく、知覚したものの相対性の話です。2001年のしし座流星群ではあまりにも流れ過ぎて明け方前に光度の感覚が麻痺してしまった観測家もおられるのではないでしょうか。(追記:山口さんによると、空を見て光度判断したときとPCを見て判断した時がごっちゃになってるとのこと。)

また撮影設定的に仕方ありませんが、流星なのか人工衛星フラッシュなのか分かり辛いものが少なからずありました。現地にいたなら見かけの速度や光り具合でほとんど区別できるけれど、PC画面だと露出ぶんの光が線になってしまったり、自然由来の流星の独特な光り出し方、消え方などは分かりません。超高感度で「非圧縮動画」を撮っても全くノイズ感が発生しないようなカメラが近未来に登場するでしょうか?技術面で希望を言うと、星空画面に星座や星の名をオーバーラップさせる機能があると良いなと感じました。常時出さなくて良いので、要所要所の説明に使ったり、放射点位置を確認する時に表示できたらありがたい。また対角魚眼クラスだと、群流星かどうか分かり辛いケースがあります。レンズ収差と向いている方向に追従してモデル流星経路が飛ぶ方向を集中線のように描く機能もあったら便利そう。動画をリアルタイムでプレートソルブするような基盤テクノロジーが必須ですね。

これだけの配信をおひとりで頑張る山口さんも大変だったろうと思います。ありがとうございました。もっと受け手側で頭をひねれば配信動画からたくさんのものを得られるかも知れません。配信中に明るい流星が飛ぶたび拍手が沸き起こるのを聴いて、そのむかし藤井旭さんたちが福島県・浄土平で開催した「星空への招待」会場でも全く同じことが起こった雰囲気を懐かしく思い出しました。半世紀近く経っても、自然の感動に触れた瞬間の人間って変わらないものですね。

【天リフ・2024年ペルセ群配信での流星数】※14日12時現在の暫定
12日
22時台
22:11:13・★★22:12:32・22:12:45・22:15:36・22:19:21・22:25:58・22:29:26・★22:29:31・★22:30:10・22:33:00(散)・★22:35:51・22:39:46・22:40:34・22:41:25・22:42:26(散)・★22:42:42・22:54:36・22:54:39・22:54:55・22:55:07(散)・22:56:28・22:56:46・★22:57:12・22:59:29
12日
23時台
★23:00:14・23:01:47(散)・23:01:50・23:03:30・23:03:38・23:04:32(散)・23:04:36・23:05:03(散)・23:07:03・23:07:12・23:08:16・23:09:49(散)・23:14:23・23:14:48(散)・23:15:24(散)・★23:15:40(散)・★23:16:27・23:16:33・23:19:26・23:20:20・★★23:21:15・23:22:44・23:24:06(散)・23:24:25(散)・23:25:47・★★23:28:31・23:29:15・23:33:01(散)・23:33:58(散)・23:35:17・23:36:20(散)・23:37:44・★23:39:37・★23:40:47・23:42:02(散)・★23:42:51・★23:44:39・23:45:19(散)・23:45:45・★23:47:20・23:47:29・23:48:53・★23:49:11・23:50:30・23:51:47(散)・23:52:04(散)・23:52:55(散)・23:53:16(停)・23:53:56(散)・23:55:08(散)・23:55:10・23:56:37・23:56:43・23:57:09・23:57:29(散)・★23:57:44・★23:59:26・23:59:55
13日
0時台
★00:01:22(停)・00:02:27・★★00:03:36・00:03:59・00:04:39・00:04:48・00:05:33・00:06:17・00:06:28・★00:07:06・00:08:03・00:08:09(停)・00:09:09・00:09:16・00:11:02・00:12:00(散)・00:12:30(散)・00:14:02・00:14:55(散)・★★00:15:42・00:18:51(散)・★00:20:17・00:21:33・00:23:52・00:23:55(ダブル?)・00:24:14(散)・00:25:56・00:26:09・★00:26:11・00:26:25(散)・00:26:29・00:27:00・00:28:00・00:28:16・★00:28:20・00:28:31(散)・00:28:47・00:29:26(散)・00:30:33・★★00:32:45・​​00:38:39・00:39:53・00:44:26・00:49:36
13日
1時台
01:00:39(散)・★01:04:44・★01:06:49・★01:09:14・01:12:23・01:12:27・01:15:35・01:16:13・01:17:00・​​01:18:40・​​01:19:02・​​01:19:54・01:22:19・★​​01:26:14(ダブル)・01:30:15・01:30:48・01:33:27(散/ダブル?)・01:34:11・01:41:20・01:41:47ダブル・01:41:57・01:45:49(散?)・01:46:09・01:47:10・01:48:06・01:48:42・01:49:52(ダブル)・01:49:57・01:50:54・01:51:49・01:52:39・01:53:02(ダブル?)・01:53:06・01:53:37・01:53:44・01:54:40(停)・01:54:52・01:55:49・01:55:55・01:56:10・01:56:41(散)・01:56:42・01:58:08・01:59:17・01:59:54
13日
2時台
02:00:44(停)・02:02:33(散)・02:03:02(別カメラ)・02:04:46(別カメラ)・02:04:51(別カメラ)・02:05:34(別カメラ)・02:09:33・02:09:51・02:10:40・02:11:53・02:12:18(散)・02:17:39・02:21:22・02:21:27・02:21:34・★02:22:05・02:23:47・02:24:50・02:27:02・02:28:47・02:29:00・02:30:16・02:30:38・02:31:18・02:31:32(停)・02:33:43(散)

  • 対象は天リフ・2024年ペルセ群Youtube配信。12日22:10過ぎから13日2:36ごろまで。
  • 途中でカメラ画角や別カメラ切り替えがあったが、構わず集計。
  • ★マークは明るい流星、★★マークは特に明るい流星。
  • 括弧書きは、散:散在流星または人工衛星、停:停止流星に近い短距離流星、ダブル:同時に複数の流星。
  • 14日12時現在、この表は13日0:30ごろまで二重チェックが終わりました。残りはもう少しかかります。ご容赦ください。
  • 流星か人工衛星かは勘で選り分けました。群流星か散在流星(or別の群)かも同様です。分別し切れてないものが含まれているかも知れません。


今日の太陽2024/08/13

20240813太陽
昨夕から宵にかけて雲が出てしまい、月など観察予定だった対象は玉砕。でも夜が更けると共に夏らしい星空になりました。透明度は低めながらシーイングは安定。そのまま朝を迎えました。朝からはじめっとした暑さ。雲も出ています。気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は886、真夏日地点数は723、猛暑日地点数は238、酷暑日地点数は0、国内最高気温は兵庫県西脇ポイントの39.5度。

20240813太陽リム
左は12:50過ぎの太陽。活動領域13780と13784の大きな黒点は今日も太陽観察グラス越しに肉眼で見え、午前に見ると横並びになるのでスマイルマーク(口無し)みたいです。昨日リムに到達した右上のダークフィラメントはプロミネンスとして見えました。右下リム、糸のようなプロミネンスも気になりますね。

2024年の台風8号が発生2024/08/13


20240813-1500JST台風6・7・8号
本日二件目の台風発生情報。気象庁によると本日9時から台風になるかも知れないと予報が出ていた熱帯低気圧が本日15時に台風8号「ウーコン/WUKONG」になりました。直前の台風7号発生から12時間後の発生で、6・7号は活動中のためトリプル台風となりました。

左は8号発生時である本日15:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は各台風中心の直径1000km円で、北が6号、下の西側が7号、東側が8号。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。立て続けが過ぎますね。今週の空模様はどうなってしまうのか…。

今日夕方時点ではまだ朝に消滅した5号(左上画像で北海道の西にある渦)の痕跡も気象庁サイトに載ってますから、四つの嵐のルートや予報が東・北日本を取り巻いていてシッチャカメッチャカ。これだけ接近すると藤原効果が出てきそうで、さぞ予報が難しいでしょうね。発生が少なかった今年前半の巻き返しが酷いことになりそうです。