ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、目的地到着!2022/01/25

20220124ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
本日夜明け前、飛行を続けていたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がラグランジュポイント周回軌道へ投入されました。ラグランジュ・ポイント(Lagrangian Points/複数形なことに留意)とは、2つの天体にもうひとつ人工衛星などの微小天体を配置するとき「どちらの天体にも引きずり込まれにくい、重力のバランスが取りやすい場所」として知られています。

NASAの専用サイトを時々眺めていましたが、昨夕に見てみると全行程の99.5%を過ぎているではありませんか。このペースだと夜が明けるまでに到着しそうだと感じ、急きょ記念撮影することにしました。一晩前は悪天でしたが昨夜は良い天気。宵のうち少し強めの風が残っていたためちょっと気持ちがぐらつきましたが、大丈夫だろうと準備続行。21時から1時間あまりの露出できちんと写っていることが確認できました(左上画像)。打ち上げからもう一ヶ月経ったんですね。

今回投入されたのは太陽・地球系のラグランジュ・ポイントの中でL2(the second Lagrangian Point)と呼ばれる位置を周回する軌道です。L2は太陽と地球を結んで約1.01倍したところにあります。つまり地球から見ると太陽と反対側へ0.01天文単位=約150万km離れた場所。いくつもあるラグランジュ・ポイントの中ではかなり不安定と聞きます。JWSTはL2そのものに固定配置されるのではなく、L2を焦点にして楕円軌道をめぐるというのですから、相当な飛行技術ですね。この困難な軌道を選んだエンジニアの皆さんに感服いたします。このL2周回軌道について詳しく知りたいのですが資料が見つかりません。どなたかご存知でしたら教えて下さいませ。

20220125JWST_L2到着
JWSTを撮影後、近くにいたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)を久しぶりに撮影(下A画像)。暗くなってるかと思ったらあまり変わらない印象です。相変わらず立派な尾を延ばしていて元気そうですね。もうひとつ、星仲間のかすてんさんの名を冠した小惑星があと半月ほどで衝を迎え明るくなっていましたので、これも撮影(下B画像)。予想光度17.6等とのことでしたが、もう少し明るく感じました。衝になるともう0.5等ほど明るくなる予定です。

最後に明け方高くなってきた月を眺めて終了。この頃には薄雲が度々通り、シーイングも目に見えて悪くなりました。一応撮影もしたけれど(下C画像)細部に締まりがありません。天気は下り坂のようです。

機材の片付けが終わり部屋へ戻ったらジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がDistance Completeになっていました(右上画像)。めでたしめでたし。

  • 20220124チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)

    A.チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)
  • 20220125小惑星9424 Hiroshinishiyama (1996 BN)

    B.小惑星9424 Hiroshinishiyama
  • 20220125_26018月

    C.月


今日の太陽2022/01/25

20220125太陽
先週末から今週頭に天気の崩れがありましたが幸い雪が降ることはなく、短時間の雨のみでした。昨日午後に急速回復、昨夜から今朝はよく晴れてくれました。写真は撮らなかったけれど明け方かなり明るくなってから自宅から低空の金星を初確認。ようやく明けの明星として拝むことができました。今日は昼過ぎまでよく晴れたものの、午後はまた一気に下り坂。今夜半に一雨ある予報です。

20220125太陽リム
左は10:10頃の太陽。右リム上下に凄まじく大きなプロミネンスが出ていてテンションが上ります。特に右上の「地に足がついてない」プロミネンスが変な形すぎる…。右下はダークフィラメントとして見えていた本体でしょうか?

現在見えている活動領域は12932、12934、12935の3ヶ所。このほか左上から新しい黒点を伴う活発な領域が入ってきました。更にその奥に活発な領域があるらしく、昨日からCクラスフレアが度々起こっています。今日もこの観察後、14:50ごろC2.18クラスフレアが発生しました。