金星が東方最大離角を迎えました2017/01/12

20170112金星(東方最大離角)
昨年6月に外合を迎えてから秋の終わりまで全く目立たなかった金星も、冬に入って急に「宵の明星」としての貫禄が出てきましたね。同じ宵の明星でも、黄道の関係で晩夏から初冬の場合は低めになってしまうため、せっかくの金星の輝きも街の景観に隠されていたわけです。

今日金星は「東方最大離角」を迎えました。見かけ上、太陽から東側に最も遠くなったということです。今後2月20日の「最大光度」までどんどん明るくなり、観察するのに最適な時期を迎えます。左は今夕の航海薄明頃に撮影した金星の拡大画像。ちょうど半月状になっています。残念ながら冬場の大気の揺らぎがとてもひどく、撮影に適した時期ではありません。(目で見ていると通常は瞬かない金星が瞬いて見えるほど…。)でもまぁ、今日の記念に撮影した次第。

20170112金星と海王星の接近
今夜は金星に関してもうひとつ見所が。それは「海王星との接近」。海王星は今年1月1日に火星と超接近したばかりですが、二週間経たずして今度は金星が側にやってきました。右は18時頃の撮影ですが、このときの離角はわずか38′弱。金星の形や海王星の青い色が分かりますね。

金星と海王星は火星の時より光度差が大きかったので、後処理に苦労しました。三段階の露光画像を複雑なマスク処理をしながらコンポジットしています。なお、実際の最接近は明日13日午前(昼間なので海王星は見えない)です。位置は変わりますが、明日夕方も同程度の離角で観察することができます。今日見逃してしまった方、お天気に恵まれたらぜひご覧になってください。

金星は3月下旬の内合まで夕空を飾ります。思えば残り2ヶ月程度。意外に短いですね。今のうちにしっかり楽しみましょう。

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