天気が崩れる前にZTF彗星を観察2023/02/10

20230209_ZTF彗星(C/2022 E3)
本日10日の関東は大荒れの天気予報ですが、昨晩から夜半前までは穏やかな晴れ間が広がっていました。月の出も遅くなり、薄暮終了後に月明かりの影響が少ない時間帯が生じたため、早速ZTF彗星(C/2022 E3)に望遠鏡を向けました。夜の始めにほぼ天頂を通過してくれるのも光害地として大助かり。

左画像は右下の撮影画像を白黒反転高コントラスト化したもの。イオンテイルが左やや上方向に少なくとも2°ほど伸びていることが分かります(複数本出てる??)。カーブしてますがダストテイルもイオンテイルの半分ほどはありそう。やはり月明かりがないと尾の写り方がだいぶ違いますね。

20230209_ZTF彗星(C/2022 E3)
反転してない黒バックの通常画像では淡い光が認識しづらくなります。同じ撮影画像であるのに、右画像のように通常の星野画像として仕上げてしまうとイオンテイルはほとんど見えません。よほど特殊な画像処理を挟まないとあぶり出せないでしょう。いっぽう左上のような反転処理をする(背景明度を高くする)と、簡易処理でもコントラストの弱い部分が見やすくなります。不思議な目の特性ですね。

明日11日夜にはZTF彗星と火星が1°未満まで接近するでしょう。お天気が気になるところです。14日にはアルデバランやヒアデス星団近くを通過、3月上旬からエリダヌス座北部の銀河群を横切り、4月10日ごろ低空で魔女の横顔星雲(IC2118)の端を通過します。このころは宵空でだいぶ低く、彗星も暗くなっているでしょう。

明瞭なブライトバンドが現れる2023/02/10

20230210-1000ブライトバンド
今日は当初より雨や雪の予報でした。当地・茨城県南部では朝7時ごろから弱い降雪があったものの、まもなく雨に変わって溶けてしまいました。

昨夜からずっと気象庁の降水ナウキャストを見守っていました。こういった雨か雪かはっきりしない時は上空に融解層があると思われ、レーダーが誤判断してドーナツ状のエコーを描きます。いわゆる「ブライトバンド」です。

左はこのブライトバンドを強調する目的で、10時から10分おき1時間分のレーダー画像を重ね合わせ加工したもの。愛知県や福井県などに明確なブライトバンドが見えていますね。この丸の中心に回転式の気象レーダーがあり、奇妙なアーティファクトを描いてしまうわけです。円形に降水が強い訳じゃありません。

20230210-1400ブライトバンド
同じエリアを、14時からの1時間ぶん処理したものが右画像。降水域はさほど変わらないのに、愛知のブライトバンドが消えて関東のものが目立ち始めました。大小様々あり、また同心円状に二重、三重になっているところもあります。特に福井県のはくっきりしててすごい!少し大きくなっていませんか?

本来は誤認識・誤表示なので降水ナウキャスト的には役に立たない模様ですが、ブライトバンドの明瞭さや発生範囲などを追いかければ融解層の盛衰や移動が追いかけられるんじゃないだろうかと思ったりもします。

日差しがなく、寒い一日でした。夜になったらまた雪になるのでしょうか?でもね、関東じゃ、雪の日よりも、からっと晴れた日の方が最低気温は低いのですよ…。