空高く輝く丸い月2021/12/21

20211221_19598月
昨夕は西空を中心に雲が出てしまい、レナード彗星(C/2021 A1)の観察はできませんでした。結局雲は夜半近くまで残っていましたが、その後はよく晴れたので月を眺めて楽しみました。

左は1時前の撮影で、太陽黄経差は約195.98°、撮影高度は約80.0°、月齢16.34。ほぼ南中時の撮影です。まんまるから少しだけ欠けてきたのが分かりますね。細部までとても良く見え、惚れ惚れするほどでした。一晩前にも南中時に観察したら高度がもう少しで80°に届きそうで驚きましたが、今回はついに80°を越えました。

下A図は今年の月南中高度をグラフにしたもの。高度は観察場所によって変わりますので、ここでは日本経緯度原点に固定しました。グラフ中の赤丸は「月太陽黄経差が180°(=満月)プラスマイナス20°」のタイミングで、これは今回のように「まあまあ丸い」と感じる範囲。つまり、丸くて高い月は初冬から中冬に限って見えることが分かりますね。

私の街は日本経緯度原点より少し北寄りで、ちょうど月の最高高度が80°に届くかどうかのぎりぎりにあるため、今回のようなタイミングはとても貴重なのです。…そう思って、あらためて自作プログラムで「月太陽黄経差が180°プラスマイナス20°」かつ「南中高度80°以上」を計算すると、なんと2008年12月14日00:34の南中以来の出来事だったのです!これはさすがに驚いた…。2000年から2030年までの間では46回しか起こらず、最高は2024年12月15日23:48の82.278°でした。この日は満月ちょっと過ぎで、おそらく国内の多くの地域で最高高度となるでしょう。

観察後、南中を迎えていたシリウスへなにげに望遠鏡を向けると、シリウスBが容易に見えるシーイングでした(下B画像)。どうりで月がクリアに見えたわけだ!

  • 2021年・月の南中高度(日本経緯度原点)

    A.月の南中高度
  • 20211221シリウス

    B.シリウス


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