今朝の月と新たな月面A2020/02/15

20200215_25594月
昨夜から今朝にかけて一応晴れていましたが、透明度がかなり悪い空でした。夜半には月が登っていたためダメ押し的に夜空がまっ白。淡い天体の観察は諦め、薄明時に南中した月を眺めて過ごしました。

左は今朝5時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約255.94°、撮影高度は約42.6°、月齢20.93です。明日16日朝に下弦を迎えるので、おおよそ下弦1日前の形ですね。秤動で南東(右下)が中央に寄っており、月面X地形は中央よりもやや西半球側に見えています。ティコの光条はあまり目立たなくなって、代わりに南西リム近くのByrgius Aやその周辺の光条がとても明るく見えます。

月面Aを探す目印となるGrimaldiもずいぶん端に寄ってしまいました。A地形そのものは見えないけれど、「この秤動じゃA地形は見辛いだろうな」って感じることができます。

20170707月面A
ところで、鹿角平天文台通信のやまのんさんが2月7日の好条件月面A観察の折りに「偽月面A」を発見したとのこと(→記事リンク)。なるほど、初代A地形が見えるタイミングでGrimaldiの南側にふたつのAの字が見えます。

過去撮影した月面A画像近くにも結構写っており、例えば右の2017年七夕の月でも良く見えています。さすがやまのんさん、単に月面Aを観察しただけに留まらず、目の付け所が違いますね。斜めに見えているとは言え、どちらも偽月面Aと言うほど偽物でもなく、逆立ちしてないし、むしろ主役を食ってしまうのではないかと心配なくらい立派です。ここでは「月面ツインA」と呼ぶことにしました。

月面ツインA地形
この地形が具体的にどこなのか調べたところ、左図の通りでした。Grimaldiの南にあるRoccaと、そのサテライトクレーター付近です。

初代Aよりも優れていると私が感じたのは、どちらのA型も2本足を形成するクレーター壁がオープン(円形に閉じてない)であるところ。たっぷり日光が当たっても、2本足は閉じることなく2本足のままなのです。(初代A地形はRiccioli Cクレーターとして閉じてしまう。)

簡単に日照シミュレートもしてみました(下A・B・C図)。左図上側A字の緑+印が一番高いので、ここを太陽高度計算基点にしています。きちんと検証していませんが、ふたつともAの中抜けのところが比較的浅いため同時に長時間はA字型を保てないかも知れません。初代Aに近いタイミングで現れますから、チャンスがあれば探してみてください。(註:当初上側A地形のみ記述していましたが、やまのんさんのご指摘で下側も加えました。)

  • 月面ツインA地形・日照太陽高度+0.0度

    A.日照太陽高度+0.0度
  • 月面ツインA地形・日照太陽高度+1.0度

    B.日照太陽高度+1.0度
  • 月面ツインA地形・日照太陽高度+2.0度

    C.日照太陽高度+2.0度


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