夕空の三惑星・三度目の挑戦2020/02/12

20200211夕空の惑星たち
昨日11日夕方、「夕空の三惑星をいっぺんに写す」挑戦の三度目を行いました。場所は一回目とほぼ同じエリアですが、数十メートル場所を移動して水星が低空になっても隠れない位置としました。ただ、この作業に意外と時間を取られ、危うく水星を逃すところでした。本末転倒ですね…。

透明度が悪いこともあり、今回は撮影枚数を倍に増やし、よりクリアな像を目指しました。昨日海王星まで写ることが確認できたので、どういう条件で撮影するか考える気持ちにも余裕が生まれます。左画像が仕上がったもの。街灯などが乱立する場所だし車の出入りも多い祝日ですが、なんとか三惑星を写真に収めることができました。どこに何が写っているかは右下画像をご覧ください。

20200211夕空の惑星たち
コンポジット数を倍にしたことでノイジーだった空背景がだいぶ滑らかになりましたが、驚いたのは浮き出た海王星像がきちんと1日分動いていたことでした。言われてみれば当たり前ですが、この広写野で移動まで写るとは思っていませんでした。

20200211海王星の移動
左画像はみずがめ座φ星と海王星を中心に10日と11日の同じ位置を原寸大で切り出したもの。ちゃんと動いてますね。金星や水星は当たり前のようにどんどん動いているけれど、一番遠くの惑星だって「惑星」と言われるだけのことしてました。

かくして2月9日からの三連続観察は三度目の正直、夕空の三惑星会合を満足できるレベルで撮影することができました。

昨夜の小惑星163373と明け方の月2020/02/12

20200212_21418月
昨夜から今朝にかけて一応晴れたものの、ときおり雲が流れていました。天気予報通り前夜より気温が下がりましたが、それでもマイナス2度程度。先週の寒波時に比べたら軽いものです。

明け方に南中を過ぎた月を眺めてみました。左は3:15頃の撮影で、太陽黄経差は約214.17°、撮影高度は約56.4°、月齢17.86です。欠け際で目立つのは南半球にあるジャンセンの「総合デパート」のようなコンプレックスクレーターや、北半球のアトラスとヘラクレスのコンビ。危難の海はだいぶ夜に包まれたようです。早くも月面Kが見え出しましたね。

秤動は南極側を過ぎて反時計回りに東側へ移ってきました。今は良く見えている西のグリマルディも、下弦を過ぎるとだいぶ端へ追いやられてしまうでしょう。

20200211小惑星163373
ところで月観察の3時間あまり前、日付をまたいで、地球接近中の小惑星163373(→2020年2月11日記事参照)を観察しました(右画像/中央横向きの線状軌跡)。11日23:40ごろから65分間の露出です。湿度がやや高くて透明度が悪く、ときおり薄雲が通過したためコントラストよく写すことができません。月明かりもあったので尚更ですね。移動が速くなったせいもありますが、2月9日満月時の撮影より悪像となってしまいました。

観察したい対象があるのに天気が優れないという状況は『天文あるある』ですが、日を変えれば再挑戦可能な星雲や銀河などと違って、今しか見ることができない現象の場合は深刻です。場合によっては悪天候を押しての強行撮影などが必要な場合もあります。そんな時にも慌てないような、悪状況下の練習だって必要でしょう。

今日の太陽2020/02/12

20200212太陽
朝からよく晴れていますが、西のほうに雪雲のような流れが見えます。今夜は天気が崩れるようですが…。

20200212太陽リム
左は10:50頃の太陽。活動領域はありません。昨日まで盛んだったプロミネンスたちもそろそろ下火のようです。大規模なものは無くなってしまいましたね。

昼過ぎからは気温が13度を越え、まるで春そのもの。今日からしばらくはもっと暖かくなる予報ですが、ときどき雨の降る空模様も続くようです。