雲越しに月面Aを観察しました2020/02/08

20200207月面A
昨夜は月面Aデー。ここ数十年では最も条件の良いチャンスとして注目していました。ところが無情にも夕刻から雲が広がり、夜半過ぎには月が見えなくなるほどの状態。それでも幾度となく雲越しに観察可能な時間帯もあったため、執念で撮影を試みました。

月面Aは秤動などの条件が悪いとき細くつぶれて見辛いため、当ブログの予報カレンダーでは「月面A基準点での太陽高度がマイナス1.0°」を眼視観察の見頃としています。月を見慣れてない方でも、これくらいの時刻ならA地形を太陽が十分照らすだろうという経験に基づく設定です。

写真に撮る場合や電子観望、あるいは眼視観察に十分慣れている方ならマイナス2.0°くらいから視認できるため、今回の撮影計画は20:30から23:30まで(月面A太陽高度-2.5°から-1.0°まで)30分おきに考えていました。実際は雲行きが全く読めず、雲にも濃淡があって露出調整など困難を極め、予想外に時間を取られました。それでも一応30分おきを踏襲しつつ、その時間に雲が多いなどやむを得ないときは前後にずらしながら、23:00の計画まで遂行。その後は完全に曇ってしまいました。月全体の画像を撮っている余裕もありません。

20200208月暈
下に6シーンの月面Aを掲載します。全て雲越しのため、明るさのばらつきや見辛いところはご容赦ください。全て月北極を下向きにして、Aを正しい向きにしてあります。各画像右上の大きなクレーターはグリマルディ。Aの20:30(太陽高度-2.5°)でも明度を上げるとA地形が既に全部照らされていることが分かります。ただし眼視では暗くてほとんど見えません。アイピース視野内を月面の明るい部分が占めていると瞳が絞られてしまい、暗いA地形を見つけるのが困難なのです。

D・E・F画像ではAの下に「逆さA」が現れ、「ダブル月面A」になる様子が分かりますね。雲のないクリアな空で観察したかったけれど、こればかりは仕方ありません。来年2月にも条件の良い月面Aがありますので、期待して待つとしましょう。(観察中、ずっと月暈が見えていました。右上画像は日付が8日になってから撮ったものですが、7日20時から21時頃のほうが鮮明でした。)

  • 200207_202950月面A

    A.20:29
  • 200207_210151月面A

    B.21:01
  • 200207_212926月面A

    C.21:29


  • 200207_220549月面A

    D.22:05
  • 2002007_223333月面A

    E.22:33
  • 200207_230337月面A

    F.23:03


今日の太陽2020/02/08

20200208太陽
明け方まで雲が多かったですが、朝から次第に快晴となりました。日中の気温はようやく二桁に届く程度ですが、気象庁の降水ナウキャストを見ると日本海側に雪をもたらしている雲の一部が関東平野にも流れ込んでおり、今夜は一部の地方で雪の可能性があるとのこと。

20200208太陽リム
左は11:10過ぎの太陽。活動領域はありませんが、右下に小さな明るい領域が見えました。ここには可視光で小さな黒点があるようです。磁場画像ではS極先行になっているので、第25太陽周期の黒点群と言うことになるでしょう。黒点が小さいため、採番されるかどうかは不明。

プロミネンスは相変わらず右上リムに派手なものが出続けています。左上リムのものも続いていますね。どちらもかなり高高度です。