もうすぐ土星の環が今年最大に開きます ― 2025/07/04
昨宵は月面X&LOVEディだったのに、1日くすぶっていた雲が夜になっても去りませんでした。仕方ないので早く寝て明け方の土星に賭けようと思い、最後に一度だけ窓を開けたら雲が薄くなってる!?慌てて望遠鏡をセットして撮影。その後は少しずつ回復してきましたが、月は西に低くなり、文字地形もすっかり明るくなってしまったので終了にしました。
左は3日21時ごろの撮影で、太陽黄経差は約97.54°、撮影高度は約26.72°、月齢は8.06。かなりの雲があったためかぶっています。E地形は周りに馴染んでしまって判別し辛いですね。XもLも周囲が明るいです。雲越しでもアペニン山脈はカッコいい。秤動のせいでフンボルト海がとてもよく見えました。
結局軽く仮眠したあとすぐ土星観察。シーイングが抜群に良かったのですが、目に見えない薄雲が流れていて撮影中ずっと光量変化に悩まされました。肉眼での土星も2等星に届かないほど暗く、時々見失います。感度と露光を増やして何とか撮れたものの、好シーイングを活かせなかったのが残念。下A画像は45分近くのデローテーション。
6月28日記事にも書きましたが、四日後の7月7日UT=日本時間8日朝に土星の環が今年いちばん開きます。昨日の天リフ作業配信で山口さんが「暗い状態なのに幅が広い環は貴重」とおっしゃっていました。正にその通りで、一番広く見える今の時期、ぜひ多くの皆さんに観てもらいたいです。(急に変わったりしませんので、前後1週間は楽しめるでしょう。)過去の観測例から推測すると、環から見た太陽高度が4°前後に達する頃にはもう環の明るさが本体並になります(下B図の緑区間)。「暗い筋が横切ってる」ように見えるのは今だけ。次に見ようと思っても15年後ですよ。
左は3日21時ごろの撮影で、太陽黄経差は約97.54°、撮影高度は約26.72°、月齢は8.06。かなりの雲があったためかぶっています。E地形は周りに馴染んでしまって判別し辛いですね。XもLも周囲が明るいです。雲越しでもアペニン山脈はカッコいい。秤動のせいでフンボルト海がとてもよく見えました。
結局軽く仮眠したあとすぐ土星観察。シーイングが抜群に良かったのですが、目に見えない薄雲が流れていて撮影中ずっと光量変化に悩まされました。肉眼での土星も2等星に届かないほど暗く、時々見失います。感度と露光を増やして何とか撮れたものの、好シーイングを活かせなかったのが残念。下A画像は45分近くのデローテーション。
6月28日記事にも書きましたが、四日後の7月7日UT=日本時間8日朝に土星の環が今年いちばん開きます。昨日の天リフ作業配信で山口さんが「暗い状態なのに幅が広い環は貴重」とおっしゃっていました。正にその通りで、一番広く見える今の時期、ぜひ多くの皆さんに観てもらいたいです。(急に変わったりしませんので、前後1週間は楽しめるでしょう。)過去の観測例から推測すると、環から見た太陽高度が4°前後に達する頃にはもう環の明るさが本体並になります(下B図の緑区間)。「暗い筋が横切ってる」ように見えるのは今だけ。次に見ようと思っても15年後ですよ。
次回の「太陽から見た土星傾斜が1°以下、かつ、地球から見て年間最大に開くチャンス」は2039年1月3日明け方。このときは完全に背面照射…つまり太陽が照らす面と反対側を地球から見る位置関係になります。おそらく今期よりも環が見えない…もしかしたら真っ暗になってしまうと思われます。夜明け前のとても見やすい位置なので、長生きしたみなさんは楽しんでくださいね。(今期および来期の背面照射については2025年4月24日記事を参照。)
今年一番小さく見える太陽 ― 2025/07/04
朝から少し雲があるものの、良く晴れています。本日朝に地球が遠日点を通過したので、今日の太陽は今年一番小さく見えます。
左は13:20前の太陽。左上にあった大きなプロミネンスは無くなりましたが、右下リム近くの太いダークフィラメントがプロミネンスになろうとしています。これも1、2日楽しめそうですね。左上の長いダークフィラメントも良い感じ。新しい活動領域や黒点はありません。
例年だと遠日点と近日点の太陽比較をしていたのですが、今年2月に太陽望遠鏡を新調したため、1月の近日点通過時と像の大きさが異なってしまい比較できません。代わりに、今日を含めて4月から7月までの各月4日の太陽を中心合わせで並べてみました(下A画像)。
空のコンディションや画像処理法が変化しているため画質の差があるけれど、機材構成は変えてないので像は同じ大きさのはず。4月、5月、6月と少しずつ小さくなってるのが分かります。でも6月と7月の差は感じられません。直径の前月比で表すと、5月は4月の99.1895%、6月は5月の99.3958%、7月は6月の99.7794%です。6月の太陽直径を1000ピクセルで表示したら、7月は998ピクセルとなって、わずか2ピクセルの違い(半径なら1ピクセルの差!!)なので、6、7月の差が分からないのも仕方ないですね。下B図からも、年間で変化が大きいのは3・4月または9・10月であることが分かるでしょう。
参考:
アーカイブ「地球の近日点通過日と遠日点通過日」
左は13:20前の太陽。左上にあった大きなプロミネンスは無くなりましたが、右下リム近くの太いダークフィラメントがプロミネンスになろうとしています。これも1、2日楽しめそうですね。左上の長いダークフィラメントも良い感じ。新しい活動領域や黒点はありません。
例年だと遠日点と近日点の太陽比較をしていたのですが、今年2月に太陽望遠鏡を新調したため、1月の近日点通過時と像の大きさが異なってしまい比較できません。代わりに、今日を含めて4月から7月までの各月4日の太陽を中心合わせで並べてみました(下A画像)。
空のコンディションや画像処理法が変化しているため画質の差があるけれど、機材構成は変えてないので像は同じ大きさのはず。4月、5月、6月と少しずつ小さくなってるのが分かります。でも6月と7月の差は感じられません。直径の前月比で表すと、5月は4月の99.1895%、6月は5月の99.3958%、7月は6月の99.7794%です。6月の太陽直径を1000ピクセルで表示したら、7月は998ピクセルとなって、わずか2ピクセルの違い(半径なら1ピクセルの差!!)なので、6、7月の差が分からないのも仕方ないですね。下B図からも、年間で変化が大きいのは3・4月または9・10月であることが分かるでしょう。
参考:
アーカイブ「地球の近日点通過日と遠日点通過日」