いて座に明るい突発天体が発見される2023/02/21

20230221_TCP J17562787-1714548
昨日2月20日明け方、いて座に9-10等台の明るい突発天体が発見されました。独立した発見報告者は茨城県の櫻井幸夫さん、静岡県の西村栄男さん、オーストラリアのAndrew Pearceさんの三人です。

昨夕の当地・茨城県南部は雨が降り、時々雷鳴も聞こえました。千葉県ではみぞれも降ったとのこと。夜半過ぎには晴れる予報でしたが、結局今日明け方前4時ごろまでは雲の通過が度々ありました。目標天体は電線や隣家に邪魔される方角でしたから、まだ濡れたままの地面に望遠鏡を設置、機材調整しながら天体が高くなるのを待ちました。

撮影中も写野方向を雲が何度か通過しヒヤヒヤ。また画像を記録しているPCが突然シャットダウンするなどいくつものアクシデントに見舞われましたが、何とか撮影することができました(左画像)。

突発天体は赤い星のようで、星仲間の(の)さんによれば新星かも知れないとのこと。シーイングがすこぶる悪かったため星像が肥大しています。無理のない方角なら経過を追いたいところですが、かなり無理しなくては撮影できないのでどうなることやら…。とにかく久々の明るい新天体ですので、可能なみなさんはぜひ観察してください。

【追記1】
京都大学の「せいめい」望遠鏡による分光により、He/N型の古典新星と分かりました。

【追記2】
V6596 SAGITTARII = TCP J17562787-1714548 = NOVA SAGITTARII 2023と命名されました。

今日の太陽2023/02/21

20230221太陽
朝から良く晴れていますが、日が高くなるに連れて風が強まり、午後は風速10m/sオーバとなりました。ローカルでは春一番(14日に8m/sオーバだったから春二番?)ですね。透明度はそこそこ良くて、極くうっすらとした花粉光環らしき光が見えました。そろそろ本格シーズンです。

20230221太陽リム
左は10時前の太陽。右リムに消えつつある大量の活動領域に代わり、左半球の黒点たちも目立ってきました。左上リム近くには新たな活動領域13234が加わってます。左上リムに背の高いプロミネンスが見えました。関係あるかどうか分かりませんが、今日11時JATごろ撮影された太陽観測衛星SOHOの画像に激しい爆発痕が写っていました(下画像)。

  • 20230221-0200UT-SOHO-LASCO-C2

    A.SOHO LASCO-C2
  • 20230221-0206UT-SOHO-LASCO-C3

    B.SOHO LASCO-C3


夕空に極細月、金星、木星が並びました2023/02/21

20230221_夕月
左は今夕の西空で見つけた極細月。どこにいるか分かりますか?実際は空が明るくて、この画像よりはるかに見づらいものでした。

昨日新月でしたから、今日は初月でなく二日月。撮影時の太陽黄経差は14.98°、撮影高度は8.07°、月齢1.07、左右を水平にしています。2022年4月3日記事に書いたように、今年の新月後のなかで新月当日や翌日の極細月が見やすいのは3月22日、5月20日、7月18日。ぜひ挑戦してください。数年後に控えている「夕方の水平月シーズン」は更に見やすくなるでしょう。

左上の微かな月を元にコントラストを上げたものが下A画像。色調がギトギトになってしまうため彩度を大きく下げてあります。5時方向、月縁が途切れたように見える大きなクレーターはネイピア(ネパー/Neper)。こんな細いのに存在感がありますね。もう少し解像すればゴダードやハッブルのクレーターが見えるはずですが、今夕はこれが限界。

夕方全景は下B画像。天気が悪くて二日間見えなかった間に金星と木星がかなり近づきました。電線の間に月も写っていますよ。A画像の月は一番上の電線にかかる前に撮影したものです。明日22日夕方は月と金星がすぐ近くに並び、どう切り取っても、地上風景と一緒に撮っても絵になること間違いなし。楽しみですね。

  • 20230221_夕月

    A.21日の夕月
  • 20230221_夕空

    B.21日夕方の西空