明け方の彗星をじっくり狙う2015/04/16

20150416ラブジョイ彗星(C/2015Q2)
昨夜は宵のうち雲がありましたがだんだん晴れて、夜半からは久しぶりのクリアな星空となりました。夜明けの彗星たちが気になっていましたので、たっぷり時間を使って3つの彗星を狙いました。ただ日中に雨だったのでとても湿度が高く、終始結露とレンズの曇りに悩まされました。

20150416ラブジョイ彗星(C/2015Q2)
まずはお馴染みのラブジョイ彗星(C/2014Q2)。そろそろ7等台まで落ちてきたので双眼鏡では歯が立ちませんが、10cm程度の望遠鏡なら余裕で見えます。少し前から日周で沈まない周極星になりましたが、どちらかというと夕方より明け方のほうが見やすくなっています。

20150416ラブジョイ彗星頭部
相変わらず尾がちゃんと伸びていて、右上の白黒反転画像だと画面の縁に届いているのが分かりますね。なお今朝のラブジョイ彗星はすぐ近くに6等星がくっついて明るめに写っています。本当はもっと暗いです。(右が証拠写真。頭部のみを拡大処理して見やすくしています。)

20150416スワン彗星(C/2015F3)
次はラブジョイ彗星のすぐ近く、双眼鏡の視野ひとつ分くらいしか離れていないところにいるスワン彗星(C/2015F3)です。3月中旬の夕空に見えていたスワン彗星(C/2015C2)とは違います。4月12日明け方の撮影では確からしい写りではなかったので、今回はきっちり露出をかけました。やっと彗星らしいエメラルドのコマの広がりが見えましたね。10等前後といわれていますが、この画像を見る限り強い集光はなく、拡散して見づらいタイプのようです。

20150416マスター彗星(C/2015G2)
さて、大トリは12日に捉えられなかったマスター彗星(C/2015G2)。発見されたばかりですが、今週見逃すともう日本で見られないので、是が非でも見たかったもの。ただ薄明開始でも高度が10度未満で、かなりの難物です。30分も前から昇る位置に望遠鏡を向けて待ち構えました。

彗星が隣家の屋根から顔を出すと、モニター画面でもすぐ分かるくらいの明るさで驚きました。9等前半か8等後半といったところでしょうか。撮影開始時の高度が8度足らずで、低空に雲や霞がなかったのは幸いでした。これもエメラルドのコマがはっきり分かりますね。

20150416明け方の月
マスター彗星より少し早く昇っていた月が夜明けを飾りました。月を撮影する機材は用意しなかったので、彗星を撮っていた機材(白黒カメラ)をそのまま月に向けました。なかなか渋い?画像右半分は長めの露出で地球照(暗い部分がうっすら見える)の詳細を狙ったものです。

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