年末の夜空を翔る三彗星2022/12/29

20221229_ZTF彗星(C/2022E3)
昨夜から今朝は前夜より更に透明度が悪い星空でした。ただ雲の発生は無く、夜明けが近くなると共にクリア度が増して行きました。せっかく晴れているので、いつもの“明るい彗星”を三つ撮影。

左は一番最後に撮影したZTF彗星(C/2022 E3)。ダストテイル、イオンテイル、エメラルドグリーンのコマとも順調に成長しています。COBSの観測では平均値8等ほどですが、明るめの観測値は7.5等前後の値も目立つようになりました。空によって広がりも変わるのでしょう。

ZTF彗星(C/2022 E3)が撮影可能高度になるまでの間に、別のZTF彗星(C/2020 V2)とパンスターズ彗星(C/2022 A2)も撮影(下画像)。両彗星とも10等前後です。パンスターズ彗星(C/2022 A2)はコマがはっきり分かりますが、ZTF彗星(C/2020 V2)のほうもよくよく見ればごく淡いコマが出ていますね。街中でなくもっと空の良いところでははっきりするでしょうか。年末年始はもちろん、しばらくこの彗星たちで楽しめそうです。

  • 20221229_ZTF彗星(C/2020 V2)

    A.ZTF彗星(C/2020 V2)
  • 20221229_パンスターズ彗星(C/2022 A2)

    B.パンスターズ彗星(C/2022 A2)


今日の太陽2022/12/29

20221229太陽
朝から良く晴れています。昨夜感じた「透明度の悪い空」はそのまま今日に引き継がれ、いつも見える遠くの富士山が見えませんでした。太陽も若干暗く、わずかながら撮影時の露出に影響します。

20221229太陽リム
左は10:20過ぎの太陽。左下リム近くの黒点群がしっかり見えるようになりましたが、今日昼時点ではまだ採番されていないようです。右上の黒点行列は4、5日かけて次々に消えて行くでしょう。でも次なる活発な領域がすぐ北半球に現れそうです。

左上リムの高緯度プロミネンスがとても見事。足下はもう光球内に入っているような…。左端や右上リムのプロミネンスも素晴らしいですね。

夕空で大接近した金星と水星2022/12/29

20221229太陽柱
今夕は金星と水星が接近する日。日没前の太陽がまだ見える時間からベランダ観察の準備をしました。風がやや残っていたので外出は取りやめです。

日没後すぐに太陽柱が見えてきました。あまり大きなものでは無いけれど、そそり立っているのがはっきり分かります。ほどなく金星も発見。でも水星は内合へ向けてぐんぐん細くなり光度も下がってますから、なかなか見つかりませんでした。焦る気持ちを抑えつつ、電線群や低空の雲に隠されるのが早いか、見つけるのが早いか、時間との戦いです。

20221229水星と金星の接近
日没後20分ほど経ってようやく水星も発見。なんとか電線にかかり始める前に撮影できました(右画像)。明るい星が金星、右上に少し離れて、とても暗い水星が見えます。

2021年5月29日記事の表に書いてある通り、本日の最接近は測心計算(当ブログ基準の茨城県つくば市)で16:23:02JSTの離角1.4006°。次回は2023年7月下旬明け方になります。2036年6月13日明け方には東の低空で月直径より狭い金星と水星の並ぶ姿が見えるでしょう。