チャンドラヤーン2号画像をじっくり眺める2019/09/04

チャンドラヤーン2号画像比較
7月22日に打ち上げられ、まもなく月面探査を始める予定のインド探査機「チャンドラヤーン2号」。どんな結果が得られるか、今からワクワクします。

少し前からになりますが、インド宇宙研究機関(The Indian Space Research Organisation/ISRO)サイトでチャンドラヤーン2号搭載カメラによる月面が公開されています。このなかに、ちょうど月北極の裏側に差しかかった探査機が地球方向を振り返りながら撮影した画像がありました。撮影は8月23日19:42UTと書いてあります。奇しくもこの秋にかけて地球からも月面北部が見やすい時期であり、私も8月18日明け方8月21日未明に撮影してます。

そこで半分遊び心ながら、チャンドラヤーン23日撮影画像と私の21日画像とをじっくり比較し、互いにどの範囲まで写せたのかを特定してみました。結果が左画像。下側がチャンドラヤーン撮影、上側が私の撮影ですが、互いのカメラが逆向きですから、私の画像を180度回転(つまり北が下方向)させてあります。対応クレーターをオレンジ線で結ぶため、チャンドラヤーンロゴの一部を消してありますのでご了承ください。

撮影日付が二日違うため影の具合が変わっていて残念ですが、なんとかピアリー(Peary)やロジェストベンスキー(Rozhdestvenskiy)といったクレーターが双方で確認できました。月の北極は両クレーターの中間付近にあります。23日の地球からは月縁の限界がRozhdestvenskiyおよびそのサテライトクレーターであるRozhdestvenskiy Kでしたが、チャンドラヤーンからは余裕で見えますね。

チャンドラヤーン2号・20190823撮影アングルマッピング
いっぽう、秤動マックスでも地球から絶対見えないクレーターを、チャンドラヤーンはたくさん捉えています。これはもう羨ましい限り。右図はチャンドラヤーン2号の撮影状況に近いアングルを自作プログラムで再現したマッピング。経線が上の方に集まっている点が北極点です。なおチャンドラヤーン2号の月面探査目標は月の南極側なのでお間違えなく。

地球上ではアマチュアでもリモート天文台が使える時代ですが、近い将来、アマチュアによる「リモート月周回望遠鏡」を持つ時代は来るでしょうか?そうなったら面白いだろうなあ。

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