アフリカーノ彗星が地球最接近しました2019/09/28

20190928アフリカーノ彗星(C/2019W2)
アフリカーノ彗星(C/2019W2)が昨夜から今朝にかけて地球に最接近しました。素晴らしい天気を期待したのですが…残念なことに、ここ三日間で一番雲が多くなってしまいました。それでも幾らか星が見える時間を繋いで何とか機材をセッティング、夜半までに彗星位置導入まで漕ぎ着けました。あとはひたすら撮影…。運良く雲間から姿が見えればラッキー…。

幸運にも20分以上連続して雲の薄い時間帯があったので、どうにかそれを仕上げたのが左画像。ノイズが多いですが、雲だらけの夜空で撮れただけましというものでしょう。緑色のコマやダストの尾が分かりますね。悪戦苦闘も終わってみれば良い思い出です。

この彗星は今後急速に「見かけの動き」が遅くなります。どの程度になるか概算したのが下A図。縦軸は1時間当たりの移動量です。600秒角/時=10分角/時だと1時間で満月直径の3分の1動きますから、昨夜はこれより少し遅いくらい。二週間ほど経てば動きが半分になるみたいですね。撮影する方は機材選定や撮影方法の参考にしてください。

参考までに、今年2月に猛スピードで地球大接近した岩本彗星(C/2018Y1)も同じグラフを掲載しました(下B図)。縦軸スケールが違うので比較時はご注意ください。最接近時の岩本彗星はアフリカーノ彗星の倍くらい速く動いてたんですねぇ…。(※このグラフは地心計算です。地球との距離が極端に近い天体の場合、観測位置や観測時間により視差が出るため、地心計算値に対して微少なズレが生じますので覚えておきましょう。)

  • アフリカーノ彗星・見かけの移動速度

    A.アフリカーノ彗星・見かけの移動速度
  • 岩本彗星(C/2018Y1)・見かけの移動速度

    B.岩本彗星・見かけの移動速度


2019年の台風18号が発生2019/09/28


20190928-0900台風18号
気象庁によると、台風になるかも…と発表されていた熱帯低気圧が、本日9:00に台風18号「ミートク/MITAG」になったとのこと。直前の台風17号発生から8日と18時間後、17号消滅から5日後の発生です。

左は発生時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。

18号は17号とほぼ同じような経路を辿る予報が出ており、17号でダメージのあった地域ではより一層の注意が必要です。

201909280900台風18号予報図+17号進路
試しに、本日9:00の予報図を気象庁サイトから引用し、17号が辿った進路(速報値/3時間ごと)を重ね描きしてみました(右図)。18号は17号よりも南で台風になっていることから、18号よりも強くなって日本に接近すると考えられます。また17号同様、日本域が台風中心進行方向の右側…いわゆる危険半円側(→関連記事)になりますから、十分に警戒してください。予報図は今後どんどん変わりますから、最新の情報入手に努めましょう。

今日の太陽2019/09/28

20190928太陽
明け方まで曇っていましたが、朝から回復し、午前の早い段階で快晴になりました。少し風が出ています。天気は下り坂で、むこう一週間ほどは晴れ間が少なくなりそうです。なかなか気候が安定しませんね。

20190928太陽リム
左は10:10前の太陽。大気の大きな揺らぎは少なめでしたが、細かな揺らぎを感じます。活動領域はありません。昨日見えた左上リムのプロミネンスは見えませんでしたが、右下に新たなものが見えますね。このところ南半球のやや高緯度に小さなダークフィラメントが幾つも見えていたので、そのうちの一つでしょうか。

日中の湿度が60%を下回る様になってきました。ただ、今日は気温が高めなせいか、はたまた昼過ぎから曇ってきたせいか、やや蒸し暑く感じます。当地・茨城では今日から国体が始まりました。真夏の灼熱から比べれば気持ち良いけれど、出場選手にも、観客にも、もう少し涼し目のほうが活動しやすいかも…。